恵慶宮(ヘギョングン)といえば、思悼世子(サドセジャ)の妻であった。そして、イ・サンこと正祖(チョンジョ)の母である。
【関連】女優イ・セヨン、『赤い袖先』見どころは「女官の目線」！【PHOTO】
ドラマ『イ・サン』では、キョン・ミリが恵慶宮を演じていた。キョン・ミリは『宮廷女官 チャングムの誓い』で強烈な悪役を演じたので、彼女が扮した恵慶宮も「悪い人なのでは？」と思う人も多いかもしれない。
そこで、史実で彼女の人生を追いかけてみよう。
思悼世子と恵慶宮が結婚したのは1744年のことだった。
このとき、恵慶宮は9歳であった。
最初は思悼世子と恵慶宮も仲のいい夫婦だったが、次第に心が通わなくなった。
問題は思悼世子にあった。彼は酒癖が悪く、家臣への暴力も多かった。それが恵慶宮を悩ませた。しかも、思悼世子は側室を殺してしまうこともあった。
結局、思悼世子は1762年に英祖(ヨンジョ)によって米びつに閉じ込められて餓死した。当時、息子のイ・サンは10歳だった。
イ・サンは思悼世子が米びつに閉じ込められる前に必死に父の助命を祖父の英祖に懇願している。本当に父親思いの息子だ。
しかし、恵慶宮は夫の助命を願い出なかった。静観しているかのように周囲から見えた。
それが、恵慶宮が後に悪評を受ける根拠になっていた。
ただ、彼女には言い分がある。英祖から見れば、恵慶宮は嫁にすぎなかった。大王として絶大な権力を握っていた英祖に対して恵慶宮が意見を述べる立場になかったのも確かだ。
恵慶宮は夫の安否を心配していても、どうしようもできなかったというのが事実ではなかったのか。
そう考えれば、恵慶宮は世間で言われていたような「冷たい妻」ではなかったかもしれない。
彼女は晩年になって随筆集を出しているが、それを読むかぎり、周囲に気配りができる女性であった。ただ、夫の素行の悪さに本当に困っていたことはしっかり記していたが……。
恵慶宮は80歳の天寿を全うして1815年に亡くなった。
果たして、夫と仲が良かった新婚当時を懐かしく思い出すことはあったのだろうか。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
■【写真】2PMジュノの甘いマスクにがっしりとした体つき…“ギャップ萌え”するファン続出【PHOTO】
前へ
次へ
.jpg)
