ドラマ『宮廷女官 チャングムを誓い』は本当に面白いドラマだったが、見た人は第1回の冒頭の場面を覚えているだろうか。
元王妃が無理やり毒をあおいで死ぬシーンが描かれている。非常に悲惨な場面であったが、このときに死んだ元王妃が廃妃・尹(ユン)氏だ。
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彼女は、9代王・成宗(ソンジョン)の正妻だった女性だ。それなのに、成宗の母であった仁粋(インス)大妃は絶大な権力を持っていて、尹氏をとても嫌っていた。相性がまったく悪かったのだ。こうなると、尹氏はとても難しい立場に追い込まれた。仁粋大妃によってにらまれたら、王宮ではまともに生きていけないからだ。
それが影響したのか、夫の成宗は妻のところにあまり出向かなくなってしまった。むしろ、成宗は側室たちばかりを可愛がるようになった。嫉妬した尹氏は、巫女(みこ)を使って、成宗が特に寵愛している側室を呪い殺そうと企てた。
これは発覚したら大きな罪になるが、案の定、ばれてしまった。なんとか必死に弁明して罪を許された尹氏だったが、ますます成宗から敬遠されるようになってしまった。
それから、かなりの時間が経った。あまりに会わないのは気の毒だと思い、成宗は久しぶりに尹氏のところを訪問した。それなのに、混乱したままの尹氏は成宗の顔を激しく引っかいてしまった。精神が錯乱していたのかもしれない。
激怒したのが仁粋大妃である。彼女は尹氏の妻の座を剥奪し、王宮から追い出した。こうして、尹氏は朝鮮王朝で初めての廃妃になってしまった。
これだけでも仁粋大妃の怒りはおさまらず、ついに尹氏は死罪になった。やはり、仁粋大妃にさからったら生きていけなかった。
そのとき、成宗と尹氏との間に生まれていた息子は6歳になっていた。その息子こそが、後の10代王・燕山君(ヨンサングン)である。あまりに評判が悪い暴君だが、彼が幼いときには母と祖母の間でこんな悲惨な事件があったのだ。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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