『トンイ』徹底解説!! 粛宗の時代に起きた仁顕王后の廃妃事件とは?

2020年08月19日 コラム #トンイ #大地 康
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粛宗(スクチョン)の治世時代において大きな政変に結びついた仁顕王后(イニョンワンフ)・閔(ミン)氏の廃妃事件。

はたして、7月17日から韓流プレミアで放送されている時代劇『トンイ』ではどのように描かれているのだろうか。その場面から見てみよう。

粛宗の母である明聖王后(ミョンソンワンフ)がついに亡くなる。粛宗は母との悲しい別れにいつまでも号泣していた。それが第21話の冒頭になると一転して、王宮の中庭に座す仁顕王后・閔氏に対して王命が読み上げられる。

「中殿(チュンジョン)の閔氏を平民に格下げして、中殿の地位を取り消す」

仁顕王后・閔氏は女官たちによって、中殿であることを象徴する“かんざし”をはずされる。彼女は明聖王后の毒殺に関与したという嫌疑をかけられてしまったのだ。

結局、仁顕王后・閔氏は罪人として白いチョゴリを着て、黒い輿に乗って王宮をあとにした。お付きの女官や輿をかつぐ人を入れても10人ほどの寂しい行列だった。

それを見送るトンイ。彼女は仁顕王后・閔氏の無実を立証する証拠を持っていたのだが、「もう遅すぎた」と上司の尚宮(サングン)に言われてしまった。

あきらめないトンイはそれを直接王に見せようとするが、内官から「殿下は誰にも会わない」と拒否されて打つ手がなくなった。

いつもトンイを温かく見守ってくれる捕盗庁(ポドチョン)〔朝鮮王朝時代の警察〕のヨンギからも「時期を待て」と諭された。

「政権は南人の手にある。王妃を守ることができる西人はすでに朝廷で力を失った」

「だからといって真実を隠すのですか。南人の力が怖くて?」

トンイは納得できないが、ヨンギは最後に逆転できる機会を待つしかないと力説した。

「真実は去らない。それを信じて耐えて待つことだ。今お前に必要な勇気は、戦うことではなく待つことなのだ」

張禧嬪と兄の張希載の策略

もはや身動きがとれなくなったトンイは、王宮を去る仁顕王后・閔氏を断腸の思いで見送った。その心に浮かんだのは、最後に仁顕王后・閔氏に会ったときのことだ。その際にトンイはこう言われた。

「王様のことをよろしく頼む。今、誰よりもつらいのは王様だ。そんな王様を誠実に慰労してさしあげて、再び微笑みが取り戻せるようにしてくれればありがたい」

その言葉を噛みしめながら仁顕王后・閔氏を見送ったトンイは独り言をつぶやく。

「中殿様から念を押されたことを一日たりとも忘れません」

その後、トンイは怒りを抑えながら張禧嬪(チャン・ヒビン)に会いに行く。明聖王后に毒を持ったのも、それを仁顕王后・閔氏のしわざに見せかけたのも、すべて張禧嬪と兄の張希載(チャン・ヒジェ)の策略だったとトンイは見抜いていた。

かつての信頼は崩れ、今や敵対関係となったトンイと張禧嬪。向かい合う席に火花が散っている。

トンイ「すべてが媽媽(ママ)〔地位が上の人への敬称〕がおっしゃった通りになりました」

張禧嬪「それなのに、わざわざ訪ねてきてどんな用か? 許しを乞うためか」

トンイ「許しは罪人が乞うものではないですか」

張禧嬪「許しは、力がない者が力をもつ者に乞うものだ。どうだ? 今からでも私の前で頭(こうべ)を垂れれば、お前をまた取り立てることもできるのだが……」

トンイ「いつか真実を明らかにします。それを伝えに来たのです」

張禧嬪「お前は殿下からかわいがられているから、私がどうにもできないとでも思っているのか」

トンイ「そうは思っていません」

張禧嬪「1つだけ肝に銘じておけ。私は中殿になる。お前はこの王宮を出て、再び戻ってこられなくなるだろう。わかったか」

2人のにらみあいが続く。トンイの眉がピクリと動く。冷静さを保とうとしているのだが、憎しみがこみあげてきたのである。こうして時代劇『トンイ』では張禧嬪とトンイの対決が熾烈になっていく……。

【関連】トンイの実名はボクスンだった!?その「正体」に迫る言い伝えとは?

時代劇『トンイ』の注目すべきポイントの1つである張禧嬪とトンイの対決。ここからどのような展開を迎えるのだろうか。

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