韓流ブームを築いたドラマといえば、2002年の『冬のソナタ』があまりにも有名だが、それに匹敵するほどのインパクトを持ったドラマが『愛の不時着』だった。
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脚本を手がけたのは、『星から来たあなた』や『青い海の伝説』などの名作を生み出してきたパク・ジウン。彼女の手により描かれた『愛の不時着』の物語は、予測不可能な運命の糸に導かれるように展開し、視聴者を魅了した。
放送は韓国tvNにて、2019年12月14日から2020年2月16日までの間に全16話が届けられ、最高視聴率は21.1％だった。まさに社会現象と呼ぶにふさわしい盛り上がりであった。
このドラマの熱気は、国境を超えて世界中へと広がっていった。コロナ禍によって日常が停止したあの時期、人々は配信サービスを通じて『愛の不時着』に出会い、そこに描かれた愛のかたちに深い慰めを見出した。
その余韻は、主演を務めたヒョンビンとソン・イェジンの人気を押し上げ、韓国のみならず、アジアや欧米でも2人の名前が知られるようになった。
特に日本では、かねてより根強い韓流ファンの存在に加えて、本作のロマンチックな世界観が大いに受けて韓流ブームがさらに加速するきっかけとなった。2020年の新語・流行語大賞で『愛の不時着』がトップ10入りを果たしたことは、その熱狂の大きさを如実に物語っている。
特にドラマで描かれた運命の恋は、現実の世界でも実現した。2022年、ドラマを通じて恋人役を演じたヒョンビンとソン・イェジンが本当の愛を育み、3月31日にソウルで結婚式を挙げた。
その後、6月27日にはソン・イェジンの妊娠が公表され、11月に2人の間に男児が誕生している。まるで、スクリーンの中の夢物語が現実の世界に美しく着地したかのような出来事であった。
そして、『愛の不時着』では主人公の2人がヨーロッパで幸せをつかむハッピーエンドになっていたが、プライベートでもヒョンビンとソン・イェジンは最高の幸せを手にした。後日談としても、これほど華やかな結末は他にないほどであった。
文＝康 熙奉（カン・ヒボン）
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