『不滅の恋人』でも登場する「女真族」とは何者なのか

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6月19日からテレビ東京の韓流プレミアで『不滅の恋人』が放送されている。

この時代劇を見ていると、「女真族」という民族がよく出てくる。朝鮮王朝を脅かす最大の敵としてもよく登場するので気になっている人も多いと思うので、ここで女真族について説明していこう。

現在の中国東北部は、かつて満州と呼ばれていた。古くからこの地域に定住していた民族が女真族であり、古代から様々な国家を作ってきた。

この女真族はとても寒い地域に住んでいたので、しばしば南下して朝鮮半島に侵入していた。高麗王朝でも本当に女真族の攻撃には悩まされた。

それは、高麗(コリョ)王朝から代わった朝鮮王朝も同じだった。

『不滅の恋人』は、時代設定が1450年代ということになっている。その時期にも、女真族はひんぱんに朝鮮王朝を襲ってきていた。それは『不滅の恋人』が描いていたとおりであった。

『不滅の恋人』の時代にも襲来した女真族

さらに後の時代になるが、女真族は1616年に「後金」を建国した。

脅威を感じたのが、国力が衰えていた明(みん)だった。1619年、明は後金を討伐するために大軍を向けるが、大敗を喫してしまった。

当時、朝鮮王朝は第15代王・光海君(クァンヘグン)の統治時代だった。

光海君は、宗主国とも言える明から盛んに援軍要請を受けたが、後金の存在を恐れ、中立外交に徹した。

結果的に、これが朝鮮王朝の安泰につながった。そういう意味では、朝鮮王朝の外交はここまでは成果を発揮していた。

(写真=TV朝鮮『大君(邦題:不滅の恋人)』韓国ポスター)

1636年5月、後金の君主になっていたホンタイジが新たに皇帝に即位し、後金は国号を「清」に改めた。

清の国力は強大になる一方で、明の衰退は甚だしかった。

それでも、16代王の仁祖(インジョ)は清との外交をうまく立ち回れなかった。

1636年12月、清は大軍で攻めてきた。朝鮮王朝が屈服して、以後、清に対して臣下の礼を取らざるをえなくなった。

1644年には明も滅亡し、清は中国大陸の覇者となった。それほど、女真族が作った国は強かったのだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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