多岐にわたるK-POPアイドルのコンテンツ。vlogやゲーム対決、さらにトークやバラエティ系など、どれも魅力的で何から観ようか日々頭を抱えているオタクも多いのではないだろうか。実は筆者もその一人だ(笑)。
しかし、アイドルグループによっては30~40分程度の尺のコンテンツもあり、鑑賞のために時間と気力を確保するのがなかなか難しいのが社会人オタクの宿命だったりもする……。「だけど推しのかっこいい姿は見たい!」そんな時にぴったりなのが、ライブパフォーマンスを中心に披露しているコンテンツ。主にカムバック期に出演することが多いが、その中でも特に大好きなチャンネルを皆さんに紹介したいと思う。
◆ディンゴミュージック(딩고 뮤직)
グローバルデジタルコンテンツ企業・MAKE USの、グローバルコンテンツメディアDingoの音楽チャンネル。2025年5月現在の登録者数はなんと526万人! K-POPアイドルファンの間でも人気のチャンネルだ。
●killing voiceシリーズ(킬링보이스)
実力派のアーティストやアイドルが、自分たちの持ち歌を生歌&メドレー形式で披露するコンテンツ。「僕たちディンゴに本気なんです」「グループ内投票で決めた収録曲たちをメドレーに盛り込んだ」とNCT127のメンバーが話すなど、チャンネルのファンであることを公言しているアイドルも多い。
このコンテンツの魅力はなんといっても、ヒット曲やファンの間で人気の曲などが一度に聴けること。デビュー周年記念の活動の一環として出演するアイドルグループも多く、歴史を振り返るのにぴったりのコンテンツでもある。
さらに、リラックスして歌う姿を見られたり、歌声に集中して改めて楽曲を聴けたりと、コンサートの時とはまた違う楽しみ方もできる。繰り返し視聴しに行き、そのたびに新しい発見をしてしまう。何度も何度も楽しめるコンテンツなのだ。
●100秒シリーズ(100초)
コンテンツの長さは正確にいうと100秒ではないが、約2~3分の動画の中で、次々と場面を移り変えながら代表曲のパフォーマンスを披露していく形式。いわゆるキリングパートやサビ部分を抜粋していることが多い。それぞれのアーティストの魅力がぎゅっと凝縮されたコンテンツだ。
●イスルライブ(이슬라이브)
K-POPアイドルたちが居酒屋でお酒を飲みながら歌うという斬新なコンテンツ。しっぽり歌いながらお酒を嗜んでいるのかな…と思いながら見始めると、いい意味で期待を裏切られる。アイドルということを忘れてしまうくらい、みんな本気で飲んで、本気で酔って、本気で楽しんでいるのだ。
スタッフが同席している動画も多く、最後はみんなで合唱して締める場面も。韓国の飲み会文化を知れるコンテンツであり、ファンたちがコンサート後にオタク同士で打ち上げをするように、アイドルたちもこうやって楽しく打ち上げをしていたら何よりだな…と勝手に思いを馳せるコンテンツでもある。
◆it’s live
『ショー!K-POPの中心』を放送している韓国のテレビ局MBCが運営するYouTubeチャンネル。バンドの生演奏をバックにアーティストが楽曲を披露する。
K-POPのパフォーマンスは、シンセサイザーなどを用いた“打ち込み音”が使われることが多い。バンドを帯同してツアーを回るアイドルもいるが、私たちが耳にしているのはその打ち込み音の方だ。
『it’s live』では、普段聴く機会が少ないバンドサウンドバージョンを楽しめるのが最大の魅力。さらに、歌っているときの表情やアドリブ、コンサート時より少しラフな雰囲気のメンバー同士の掛け合いも見どころだ。2025年1月には日本で初めてリアルライブも開催されている。
◆リムジンサービス
JTBCの音楽番組『シングアゲイン』に出演し、一躍有名になったシンガーソングライターのイ・ムジンがホストを務めるYouTubeチャンネル。韓国KBSバラエティ番組のデジタル専門スタジオ『スタジオK』で配信されているコンテンツだ。
出演アーティストが直接セレクトした楽曲を披露し、その曲に関するエピソードトークなどを交えながら進んでいくが、シンガーソングライターならではの視点でコメントをするイ・ムジンも注目ポイントである。最後にはイ・ムジンとのコラボも。持ち歌以外の曲を歌う姿を見られる機会はそうそう多くないので、貴重なコンテンツのひとつといえるだろう。
◆Be original
前述のチャンネルが歌に焦点を当てているとすれば、STUDIO CHOOMの「Be originalシリーズ」は、ダンスに特化されたものだといえる。コンテンツ名の“CHOOM”は、韓国語で踊りを意味する“춤(チュム)”に由来。K-POPファンにはおなじみのMnetがチャンネルを運営している。
背景と照明はいたってシンプルだが、徹底してパフォーマンスを魅せることに注力した制作者のこだわりが垣間見える。さらに、アングルもアーティストそれぞれの振付に適した角度から撮られており、臨場感あふれる内容となっている。そしてなんといっても高画質配信。パフォーマンスからK-POP沼にハマった人にとっては、最高のコンテンツではないだろうか。
長いことK-POPオタクをしている筆者だが、コロナ禍を経てコンテンツの幅がかなり広がった気がする。歌なら歌、パフォーマンスならパフォーマンス。アイドルのさまざまな姿を見られるようになったのは、幸せなことこの上ない。と同時に、「企画のアイデアはどこから湧いてくるのだろうか……?」と興味を持った。いつか直接お話を聞いてみたい。
文=豊田 祥子
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