【ドラマで身につく韓国カルチャー】なんで主人公が財閥家の子供ばかりなのか

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韓国ドラマを見ていると、財閥家が舞台になっているドラマがとても多い。その理由は何なのか。もちろん、派手な財閥家というのはドラマを盛り上げるうえで大きな存在になりやすい。そこで、4つの理由を考えてみよう。

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〔理由その1〕ドラマのスケールを拡大する

主人公を御曹司やご令嬢にすることで、ドラマのスケールをグーンと大きくする効果がある。何よりも頻繁に豪邸を出せるし、派手な生活ぶりを描ける。それは庶民にとって憧れであり、ドラマを通して「非日常」を楽しく見せることが可能だ。

たとえば『涙の女王』。財閥家のホン・ヘイン(キム・ジウォン)がヒロインになっていて、夫のペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)と財閥家の暮らしを再現するようなドラマだった。

また、『涙の女王』では大々的なベルリン・ロケがあり、海外の映像は見栄えがとても良かった。こうしたロケも財閥家が主役になっているからできることで、それだけ説得力のあるシーンを作ることができる。

〔理由その2〕韓国人のブランド志向を刺激する

韓国では出身地、大学、勤め先をブランド化する傾向がある。一流大学を卒業して大企業に入りエリートの道を突き進むのが成功者の証と見られている。そういう視聴者の真理をくすぐるのが財閥家の存在だ。

しかも、ハンサムな御曹司や美人のご令嬢はドラマらしい華やかな世界を演出してくれるし、韓国人が持っているブランド志向を大いに刺激してくれる。

キム・ジウォンとキム・スヒョン
『涙の女王』に主演したキム・ジウォンとキム・スヒョン(写真提供=OSEN)

日常の辛さを忘れさせるエンタメ

〔理由その3〕ラブロマンスの主人公として描きやすい

韓国ドラマの場合、医療ドラマであれ法廷ドラマであれ、必ずラブロマンスが描かれて物語の中軸になる。これはラブロマンスを好む韓国人のニーズに応えたものなのだが、やはり主人公が男女とも普通すぎるとドラマに華がなくなってしまう。

しかも、生活ぶりを克明に描かなければならない。そうすると、ラブロマンスの描き方が弱くなってしまう。

その点、御曹司やご令嬢を主人公に設定にすれば、時間を自由に使えて恋愛に集中することができる。それによって、ジェットコースターのような起伏がある展開も可能になってくるのだ。

〔理由その4〕シンデレラ・ストーリーを実現させる

韓国でも経済格差が広がってきているが、それが社会問題になるにつれて現実の格差を覆してくれるようなシンデレラ・ストーリーが期待される。やはりみんなシンデレラ・ストーリーのような「夢のある物語」が好きなのだ。

ドラマというのは日常の辛さを忘れさせてくれる最良のエンタメ……それを突き詰めるとシンデレラ・ストーリーが最適なのだ。そうなると、「財閥家を舞台にしたシンデレラ・ストーリーが最強」という結論になってくる。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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