イ・ビョンフン監督作品の韓国時代劇ドラマ『トンイ』で主演した女優ハン・ヒョジュ。
今や韓国はもちろん、今や日本でも絶大な人気を誇る女優となった彼女だが、所属するbhエンターテインメントの協力で、2012年6月にインタビューする機会を得た。
あれから8年近い歳月が過ぎたが、当時の彼女が語っていたことはいろいろと興味深い。これから「思い出インタビュー」として当時の内容を数回に分けて紹介しよう。
―『トンイ』というドラマは、ハン・ヒョジュさんにとってどういう作品だったのでしょうか?過去にも、『春のワルツ』、『華麗なる遺産』といったヒット作に出演していますし、フュージョンとはいえ『イルジメ(一枝梅)』で時代劇も経験されています。過去の作品との違いなどありましたら、そこも含めて聞かせ下さい。
「いろいろありますが、まずはイ・ビョンフン監督の時代劇を経験したということのが、わたしにとっての挑戦でした。イ・ビョンフン監督は韓国時代劇の歴史を作ってきた偉大な方です。そんな監督の前で演技をしたり、一緒に作品を作っていくということは、とても緊張しましたし刺激的でした。
【写真】『トンイ』でブレイクした女優ハン・ヒョジュの原点はどこか
『トンイ』という作品を通じて、私個人的には、女優としても人間としても大きく成長できたと思っています。他の作品も、私にとってはすべて貴重で、思い入れのある作品ばかりです。
ただ、その中でも『トンイ』が特別だったとすれば、もしくは他の作品との違いがあったとすれば、撮影期間やスタッフのみなさんと一緒に過ごした時間もとても長かったということではないでしょうか。みんなで食事をしたり、本当にいろいろな話をしました。『トンイ』は、制作過程での思い出がたくさん詰まっている作品です」
―主人公にキャスティングされた経緯には、何か特別な理由があったのでしょうか?
「イ・ビョンフン監督が、私の他の作品を見てくれたことがキッケカでした。監督は、わたしの前向きでポジティブな部分や、ストイックな部分が良いとおっしゃってくれました。
そのような性格が、トンイのキャラクターととても相性がいいと。それでキャスティングされたと思います。
正直に言うとキャスティングされた当初は、不安な気持ちがありました。けれど、同時にこのような役をぜひ演じてみたいと欲があったのも事実です(笑)。
それで、監督やスタッフのみなさん、視聴者のみなさんの期待に応えられるようにやってみようと決心したのがはじまりでした」
―イ・ビョンフン監督はどのような監督でしたでしょうか? エピソードがあれば教えていただけますか?
「イ・ビョンフン監督の時代劇に対する熱意と情熱が、『トンイ』という作品を生む原動力だったことは間違いないと思います。当時は理解できなかった監督の教えが、今になって思い返してみると、かけがえのない財産になっています。
それに、撮影前の2~3か月のあいだ、時代劇の話し方や腹式呼吸、歴史などいろいろと勉強したのですが、そのときにいただいたアドバイスがとても貴重な経験になっています。『トンイ』のあと、私は時代劇映画『王になった男』を撮影したのですが、『トンイ』撮影当時に受けた指導を思い出すと、とても役に立つことが多かったのです」
文=慎 武宏
*このインタビュー原稿は2012年6月に行なわれたものを、大幅に加筆・修正したものです。
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