女優ハン・ヒョジュが明かした『トンイ』の役作りの苦労と監督の演技指導

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7月17日から韓流プレミアで放送されている韓国時代劇『トンイ』。このドラマで主人公のトンイこと淑嬪(スクピン)・崔(チェ)氏を演じているハン・ヒョジュ。

彼女は、かつて来日したときにドラマの魅力をたっぷり語っていた。芯の強い主人公を演じたことで、ハン・ヒョジュ自身も大きな影響を受けたようだ。

ハン・ヒョジュが演じたトンイは、低い身分の出身ながら、長じてから第19代王・粛宗(スクチョン)の妻となり、のちの第21代王・英祖(ヨンジョ)の母になっている。ただし、彼女が王妃まで登り詰めることができたのは、粛宗の女性遍歴の結果である。

そもそも、粛宗の最初の妻はわずか19歳で亡くなっている。二番目の妻は仁顕王后(イニョンワンフ)で、人柄が良かったが子供に恵まれなかった。

そこを突いて粛宗に近づいたのが、朝鮮半島で悪女の代名詞にもなっている張禧嬪(チャン・ヒビン)だった。

彼女は粛宗との子を成して仁顕王后を正室から追放した。しかし、度が過ぎるほど策を弄したが、仁顕王后を呪い殺そうとしたことが発覚して毒殺の刑に処された。

そんな張禧嬪に代わって、粛宗の寵愛を受けたのが淑嬪・崔氏だった。この女性は聡明だったとされるが、その人物像は史実では詳しくわかっていない。

なお、ここで紹介しているハン・ヒョジュの言葉は、2011年3月に『トンイ』の放送に合わせて行なわれたNHKの合同記者会見と撮影会で来日したときのものである。

いわば歴史に埋もれていた女性なのだが、その彼女を甦らせて壮大な歴史物語の主人公として輝かせたのは、イ・ビョンフン監督の力量である。

さすがに、『宮廷女官 チャングムの誓い』『イ・サン』を作った韓国時代劇の巨匠だ。ただ、トンイに扮するハン・ヒョジュにしてみれば、その人物のキャラクターを作るうえでは苦労が多かったようだ。

「撮影が始まる前、トンイについて詳しくなかったので、ぜひ調べなければならないと思い、いろいろ勉強したり資料を集めたりしました。けれど、トンイについて書かれている資料が本当になかったんです。歴史上では淑嬪・崔氏という名前で通っていますが、インターネットを見てもわずかしか出ていませんでした。このドラマというのは、監督や作家の方たちが『こういう人物だったのだろう』という想像で作る部分が多かったようです。彼女についての資料がなかったので、私も調べるのが大変でした」

イ・ビョンフン監督から受けた演技指導

ハン・ヒョジュはそう振り返るが、逆に言うと、歴史の中で知られていない人物だからこそ自分で新しいイメージを加えられるのである。そこに俳優としてのやり甲斐があるはずだ。さらに、彼女は次のように語っている。

「韓国で時代劇を作るときに、張禧嬪のようによく登場する女性がいます。ひんぱんに出てくる女性であれば、ある程度のイメージをみなさんが持っているのですが、今回のトンイという人物はあまり知られていなかったので、逆に頑張らなければいけないという気持ちになりました。そういうプレッシャーを感じながらも、その一方で、私が初めてイメージを作るということに誇らしげな気持ちになりました。『私が初めてなんだ』と思うとうれしかったですし、とても感謝しました」

イ・ビョンフン監督(左)とハン・ヒョジュ(右)のコンビ(写真=SPORTS KOREA)

ハン・ヒョジュにとって心強かったのは、イ・ビョンフン監督から撮影前に熱心に演技指導を受けたことだった。

「まさに、個人レッスンという形で教えてくださいました。実際には、イ・ビョンフン監督が演出された『ホジュン』『チャングム』『イ・サン』といったドラマの台本を元にして、私に必要だと思われるシーンを監督自ら選んでくださり、私が演じてみました。そのときも、私一人でやるというよりも、監督も一緒に演技をしてくださり、とても感激しました」

そう語ったハン・ヒョジュ。現在、韓流プレミアで7月17日から放送されている『トンイ』で、改めて彼女の演技に注目してみよう。

構成=大地 康

♢ハン・ヒョジュ プロフィール
生年月日:1987年2月22日生まれ
身長:170cm
星座:うお座
デビュー:2005年ドラマ『ノンストップ5』
出身校:東国大学演劇映画科

☆主な出演作
『ノンストップ5』(ドラマ、2005年)
『春のワルツ』(ドラマ、2006年)
『空くらい地くらい』(ドラマ、2007年)
『イルジメ~一枝梅』(ドラマ、2008年)
『華麗なる遺産』(ドラマ、2009年)
『トンイ』(ドラマ、2010年)
『王になった男』(映画、2012年)
『W-二つの世界』(ドラマ、2016年)
『トレッドストーン』(ドラマ、2019年)
『太陽は動かない』(映画、2020年)

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