高麗の女傑の生涯を新解釈『奇皇后』【名作劇場】

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人気女優ハ・ジウォンのドラマ復帰。250億ウォン(約25億円)とされる制作費。これだけでも大きな話題を集めるが、韓国で放送されて以来、これほどまでに賛否両論を集めるドラマも珍しい。

歴史上、奇皇后は「民族の裏切り者」とされてきたが、ドラマでは高麗を救うヒロインと設定されており、「歴史歪曲」論争が耐えないのだ。それでも視聴率は20%に肉薄する人気ぶりなのである。

ハ・ジウォン演じるキ・スンニャンこと奇皇后。歴史上では、高麗の“貢女”として元に献上され、元の最後の皇帝トゴン・テムルに寵愛され皇后まで登り詰めた人物。

当時、高麗は元の従属国で、一家に元の皇后が出たことで奇一族は高麗国内で権力を握り、奇皇后も反元派だった高麗の恭愍王を廃位させようとしたため、韓国では「悪女」「民族の裏切り者」と見なされてきた。

だが、ドラマの奇皇后は、元に“貢女”される過程で脱出を図り、男装して闇の集団を組織して高麗の女性たちを救うヒロインとして描かれ、あらゆる困難に立ち向かっていく。

また、チュ・ジンモ演じるワン・ユは架空の王という設定だが、当時の高麗王は自身の享楽に溺れる暴君が多かった。が、ドラマでは高麗の行く末を案じ悲しむ王となっている。

ドラマ『奇皇后』 (Lee Kim Production/MBC)

【あらすじ】歴史上では「悪女」「民族の裏切り者」

世界中に勢力を拡大したモンゴル帝国(元)に貢女として連れて行かれた後、37年間にわたり女帝として君臨した高麗の女傑・奇皇后の人生を描いた作品。

元により国を蹂躙され、貢女として連行された主人公・スンニャンとその母。人質として、ともに連行される幼い王子ワン・ユは、自国の女性たちを憂い、彼女たちを逃がそうと試みる。

しかし、元の軍人はこれを許さず、惨殺の暴挙に出て、スンニャンの母は殺されてしまう。逃げ切ったスンニャンは母を殺した元に復讐を誓う。

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