韓流時代劇の魅力は、演じる役者たちの確かな演技力にある。リアルで感情が込められたその演技力に魅了されたファンも多いだろう。
そんな名優たちは韓流時代劇をどのように考えているのだろうか。
韓流時代劇の名優たちの過去のインタビューを通じて、韓流時代劇の魅力を考察する。第1回目は『千秋太后』の主演女優チェ・シラだ。
役者生活20年を超えるベテラン女優のチェ・シラは時代劇への出演作も多い。
例えば『海神(ヘシン)』だ。海の覇者チャン・ボゴを描いた海洋ロマン時代劇で、チェ・シラは強欲で金と権力に執着して悪事にも平気で手を染めるジャミ夫人を強烈に演じた。
『千秋太后(チョンジュテフ)』では高麗(コリョ)の始祖・王建(ワン・ゴン)の孫娘で、対外からの侵略に立ち向かった女傑・千秋太后を演じ、2009年KBS演技大賞最優秀演技大賞に輝いた。
「時代劇では王妃や太后など権力を握る役が多いのですが、普段はできない命令口調など王族の暮らしを疑似体験できるのが魅力ですね。
特に格式のある独特の言い回しや言葉は、時代劇の中でないと使うことがありません。時代劇独特な言い回しを口にしていると、役と同化できて強い達成感を感じます。それも時代劇の魅力ですね」
そう語る彼女は『千秋太后』の主演で“第二の全盛期”を迎えたと高い評価を得た。千秋太后は劇中で、皇后や母親、政治家、恋に生きる女などさまざまな顔を持っていただけに、演じるにあたって苦労も多かったという。
「時代劇での苦労といえば、衣装をつけるまでの準備に時間がかかることです。
『千秋太后』はそのほかにも細かなことで苦労が多かったのですが、中でも異なった関係性を演じ分けるのが大変でした。
息子やキム・チヤンとの関係、兄との関係などそれぞれが異なっていて、状況に応じて別人のようになるんです。それを演じ分けることにとても苦労しました」
それでも『千秋太后』達成感が大きい作品だったという。
「千秋太后は、歴史上の記録では“妖婦だ”とか、“不義の子を宿した”などと否定的に記されています。
ドラマはそんな千秋太后像を見直し、現代に生きる女性たちにとっての生き方のモデルになるように描かれましたし、新しい女性像を提示したかったんです。
一種の使命感と言ったらいいのでしょうか。そんな思いで役に臨むことができました。私はたくさんの時代劇に出演してきましたが、『千秋太后』は格別の魅力がある作品でしたね」
◇チェ・シラ プロフィール
1968年6月25日生まれ。84年にCMモデルで芸能界デビューし、以降、代表作多数。98年には『王と妃』で時代劇でも確かな演技力を披露し、実力派女優に。2000年にロック歌手キム・テウクと結婚し、1男1女の母でもある。
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