イ・ヨンエ×キム・ヨングァン『ウンスのいい日』はどんなドラマ?

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U-NEXTで配信されている韓国KBS2ドラマ『ウンスのいい日』は、平穏な日常のすぐ裏側に潜む暗い深淵を、鋭くも鮮烈に照らし出すヒューマン犯罪スリラーである。その物語は、運命に翻弄される2人の人物を中心に描かれる。

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1人は、家庭の幸せだけを祈り続ける献身的な主婦カン・ウンス(演者イ・ヨンエ)。もう1人は、昼間は生徒に慕われる誠実な美術教師でありながら、夜は裏社会で薬物を扱うという危険な素顔を隠し持つ青年イ・ギョン(演者キム・ヨングァン)である。

決して交わるはずのなかった彼らの人生は、ある日偶然に手にした“薬の入ったかばん”によって激しく衝突し、やがて誰も逃れられない漆黒の渦へと呑み込まれていく。

カン・ウンスを演じるイ・ヨンエの姿は、痛切な現実感に満ちている。病に伏した夫と生活苦に追い詰められながらも、必死に家族を守ろうとする母の姿を、彼女は深い感情で演じ上げる。

その選択に“正しいかどうか”という問いはもはや存在せず、“生き延びられるかどうか”だけが唯一の指針となる。必死に抗うその姿は、哀切でありながらも力強い輝きを放ち、観る者の胸を激しく揺さぶるのである。

『ウンスのいい日』
(写真=韓国KBS)

運命に翻弄される2人の物語

一方、イ・ギョンという存在は、純粋さと危険さを同時に抱えた二面性を持つ。キム・ヨングァンは、清廉な教師としての穏やかな表情と、裏社会に身を沈める冷酷な顔を巧みに演じ分ける。

昼間は信頼される教育者でありながら、夜はクラブの薄暗い空気の中で薬をさばく。光と闇を往復する彼の矛盾した姿は、観る者に不安と緊張を与え、作品全体を妖しい雰囲気で包み込む。

この作品が真正面から描くのは、人間が極限に追い込まれたときにさらけ出す本性である。“人は守りたいもののために、どこまで堕ちていくことができるのか”。

その問いはウンスとギョンに向けられると同時に、視聴する私たち1人1人に投げかけられる。罪と選択、欲望と愛情、そして絶望の果てで残るものは何か、その答えを探す旅が視聴者に課されるのである。

『ウンスのいい日』は、犯罪スリラーの緊迫したスピード感を持ちながら、同時に家族という普遍的な価値を鮮烈に浮かび上がらせる。容易に得られる幸福はあまりにも脆く崩れやすい。

しかし命を懸けて守り抜こうとしたものだけが、未来に残るのかもしれない。視聴者はウンスとギョンの運命を見届けながら、その問いに心を揺さぶられ、深い余韻の中で答えを探し続けるのである。

◆『ウンスのいい日』概要

放送局:KBS2 (2025年)
出演者(役名):イ・ヨンエ(カン・ウンス)、キム・ヨングァン(イ・ギョン)、パク・ヨンウ(チャン・テグ)、ペ・スビン(パク・ドジン)
監督:ソン・ヒョンウク(『恋慕』『ビューティー・インサイド』など)
脚本:チョン・ヨンシン(『アルゴン~隠された真実~』『恋はチーズ・イン・ザ・トラップ』など)
配信情報:U-NEXTで配信中

文=大地 康

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