7月18日から韓国JTBC で放送され、Disney+で配信が始まった話題作『優しい男の物語』は、暴力と運命に翻弄されながらも、心の奥底に秘めた優しさを持ち続ける男の人生を描いた感性派ノワールドラマである。
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本作の主人公パク・ソクチョルは、作家を夢見ながらも現実の厳しさに押され、やがて裏社会の道を歩むことになった男だ。
物語は、そんな彼が人生の再出発を決意した矢先、幼い頃に想いを寄せていた初恋の女性カン・ミヨンと運命的に再会するところから動き出す。
ヒロインのカン・ミヨンを演じるのはイ・ソンギョン。苦しい環境に屈せず、歌手を夢見て努力を続ける芯の強さを持つ女性で、ソクチョルと交わした淡くも切ない過去が、2人の再会に深みを与えている。
極道一家に生まれながらも、どこか不器用で誠実な男ソクチョルと、夢を諦めないミヨンが紡ぐこのドラマは、暴力の世界に身を置きながらも優しさを手放さなかった男の物語として、多くの視聴者の胸を打つだろう。
この複雑でパク・ソクチョルを演じているのが、イ・ドンウクである。彼はジャンルを問わず幅広い作品に出演し、確かな演技力と存在感でキャリアを築いてきた。
特に『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』では、死神という神秘的かつ哀愁を帯びた役を演じ、世界中の視聴者の心に深い印象を残した。また、『ライフ』で、正義感と葛藤を抱える救急医師イェ・ジヌ役として主演を務め、冷静かつ情熱的な人物像を見事に表現した。
その後も、『九尾狐伝』で九尾狐のイ・ヨン、『バッド・アンド・クレイジー』でムニャン警察庁反腐敗捜査係刑事リュ・スヨル、『ハッピーニューイヤー』でエムロスCEOのキム・ヨンジンなど多彩なキャラクターを演じている。
イ・ドンウクはその卓越した演技力に加え、どんな役にも自然に溶け込む表現力を持ち、常に新たな顔を見せ続けている俳優である。
『優しい男の物語』では、彼の演技キャリアの集大成とも言える深みのある演技が光り、視聴者に強さと優しさの両面を備えた人物像を印象づけるに違いない。
暴力に染まりながらも人を愛し守ろうとする男の切なさ、イ・ドンウクだからこそ、その複雑な感情を余すことなく表現できるのだろう。これからも彼の活躍から目が離せない。
文=大地 康
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