キム・ジェウクが『呑金/タングム』で時代劇に復帰した。
Netflixシリーズ『呑金/タングム』は、行方不明となっていた朝鮮最大の商団の息子・シム・ホンラン(演者イ・ジェウク)が記憶を失ったまま12年ぶりに帰還し、彼の異母妹シム・ジェイ(演者チョ・ボア)だけがその正体を疑うところから始まるミステリーとメロドラマが交錯する時代劇である。
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キム・ジェウクは本作で、王の唯一の兄弟にして朝鮮随一の審美眼を持つ芸術家・ハンピョン大君を演じた。
キム・ジェウクの時代劇復帰は、それ自体が大きな話題となった。配信前から高い期待が寄せられ、物語が進むごとに彼の存在感がより際立っていった。
余裕をたたえた微笑み、気だるげな口調、そして気品あふれる佇まいは、美を愛する大君のキャラクターを端的に表現しており、さらに一見優雅な姿の裏に潜む違和感が物語全体に微妙な緊張感をもたらしていた。
彼が絵画と向き合う瞬間に宿る鋭い眼差し、筆を握る手先の微かな震え、歓喜に満ちた表情に至るまで、ハンピョン大君が芸術に抱く飽くなき渇望と、美の極致を求める執念と情熱を立体的に描き出した。
キム・ジェウクの演技は、登場からラストシーンに至るまで『呑金/タングム』の世界観を見事に完成させたと言える。彼が演じるハンピョン大君は、温和でありながら静かなカリスマを湛えた人物で、登場するたびに視線を引きつける。
冷静にシム・ヨルグク(演者パク・ビョンウン)を圧迫し、ホンランには探るような視線を向け、シム・ムジン(演者チョン・ガラム)に対しては鋭い距離感を保つなど、登場人物それぞれとの間に異なる緊張関係を構築し、場面ごとに鮮烈な印象を残した。
どの相手と対峙しても一歩も引かない圧倒的な存在感で、登場人物の運命を翻弄する大君を体現してみせた。
ジャンルを問わず存在感を放つ彼の演技の根底には、長年にわたって培われた確かな実力がある。
キム・ジェウクはこれまでも多様な作品で善悪を自在に行き来しながら、独自のキャラクター像を築いてきた。今回の『呑金/タングム』でも、力強さと繊細さを兼ね備えた演技で物語を牽引し、キャラクターに完全に同化する俳優であることを改めて証明した。
単なるイメージチェンジではなく、キャラクターそのものとなる俳優・キム・ジェウク。その比類なき存在感が本作でも存分に発揮されており、今後の演技活動にも大きな期待が寄せられている。
なお、Netflixシリーズ『呑金/タングム』は、全エピソードがNetflixで視聴可能である。
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