キム・ジェウクという俳優には、いろいろな思い出がある。
私が韓流雑誌の編集長をしているときは、とにかく韓国スターがファン・ミーティングで来日することがとても多く、その取材の手配をすることが重要な仕事だった。
そうやって取材を重ねていると、キム・ジェウクのカッコよさや親しみやすさに魅せられる人が多く、仕事を忘れて彼のファンになる編集者やカメラマンが続出した。
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時期は、ちょうど『コーヒープリンス1号店』の頃だ。キム・ジェウクは私にとって、韓流取材の象徴的なスターであったのだ。
それだけに、その後の彼の活躍にも大いに注目していた。
そんなキム・ジェウクがパク・ミニョンと『彼女の私生活』で共演したときは本当にうれしかった。文句なしの美男美女。絵になる2人のラブストーリーは、「韓国ドラマの華」と言っても、決して過言ではなかった。
もう一つ、キム・ジェウクにとても親しみを持つ特徴があった。それは、彼が日本語が本当にうまいということだ。
それもそのはずだ。1983年に韓国で生まれたキム・ジェウクは、物心がつく前に、父親の仕事の関係で家族みんなで日本に住むようになった。
必然的に、キム・ジェウクが最初に覚えた言語は日本語になった。そういう背景があるだけに、自然なアクセントで日本語を話すことができた。
とはいえ、キム・ジェウクは小学校に入る前に韓国に戻った。当時は、日本語しか話せなかったから必死になって母国語の韓国語を覚え、その反動でいつしか日本語を忘れてしまった。
しかし、完全に忘れたわけではなかった。大人になってから韓国に来た日本人留学生と知り合い、再び日本語を話す機会を得られたことで、子どもの頃に覚えた日本語が完全に甦ってきた。
こうなると心強い。彼は日本の文化に親しみ、日本を本当によく理解している韓流スターの1人になった。これからも、キム・ジェウクが日本と韓国の文化的な架け橋になってくれればありがたい。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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