『朝鮮弁護士カン・ハンス』で見せた新境地、ウ・ドファンの緻密な感情演技の真髄

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ウ・ドファンは、知性と野性を兼ね備えた独特の存在感で視聴者を魅了し続けている。彼は、俳優としてデビューしてから、『マッド・ドッグ~失われた愛を求めて~』『偉大な誘惑者』『私の国』『ザ・キング:永遠の君主』といった話題作で、さまざまなジャンルのキャラクターを演じ分け、着実に演技の幅を広げてきた。

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2020年に兵役に就き、約1年半のブランクを経て2022年に除隊。そんな彼が復帰作として選んだのが、時代劇『朝鮮弁護士カン・ハンス~誓いの法典~』である。

本作は、朝鮮王朝時代を舞台にした異色の法廷ロマンス時代劇である。ウ・ドファンが演じる主人公カン・ハンスは、"外知部(ウェジブ)"と呼ばれる庶民のための朝鮮時代の弁護士だ。法に無知な民衆を救うため、時に奇策を用い、時に熱弁を振るいながら、さまざまな訴訟に挑んでいく。

彼の出発点は両親を殺した権力者への復讐という個人的な動機だったが、訴訟を重ねる中で、次第に民の苦しみに目を向け、真の正義を追い求めるようになる。この成長のプロセスを、ウ・ドファンは繊細な演技で丹念に描き出している。

演技の見どころは、何といってもその緩急自在な感情表現だ。ユーモアを交えながらも芯の通った強さを失わず、弁論の場では理知的な鋭さを発揮する。

ウ・ドファン
ウ・ドファン

知性と野性を兼ね備えた存在感

一方で、孤独や怒り、迷いといった複雑な感情にもリアルな陰影を持たせており、視聴者は彼の一挙手一投足から目が離せない。

特に、法廷で見せる毅然とした姿と、恋心や過去のトラウマに揺れる私生活とのギャップが、彼のキャラクターに深みを与えている。
物語は恋愛要素も巧みに絡めて進行する。カン・ハンスは、先王の娘であるイ・ヨンジュ(演者キム・ジヨン〔宇宙少女ボナ〕)と心を通わせるようになるが、彼女にはすでに名家出身の長官ユ・ジソン(演者チャ・ハギョン)という婚約者がいる。

正義と権力、そして愛が交錯するこの三角関係は、物語に緊張感と切なさをもたらす。また、ハンスを支える幼なじみのドンチ(演者イ・ギュソン)との信頼関係も、ドラマの温かみを支える大きな要素となっている。

『朝鮮弁護士カン・ハンス~誓いの法典~』は、法廷劇としての痛快さと時代劇ならではの風格、さらにロマンスの甘さと人間ドラマの奥深さを兼ね備えた作品である。

NHK BSP4KおよびBSで放送されており、U-NEXTでは独占配信中だ。ウ・ドファンにとって除隊後初の主演作であり、彼の新たな代表作として記憶されるにふさわしい仕上がりとなっている。

法と正義を武器に戦うカン・ハンスという人物像を通して、ウ・ドファンは新たな俳優としての境地を切り開いた。彼の真価を知るうえで、絶対に見逃せない一作である。

文=大地 康

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