Netflixシリーズ『おつかれさま』の舞台は、荒々しい海に囲まれた済州島(チェジュド)である。この島に生きる女性たちは、荒波のようにたくましく、陽光のように情熱的だった。物語の中でひときわ個性を見せていた5人の女性キャラクターを、印象深い順にランキング形式で紹介しよう。
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●女性キャラ/ランキング5位「ヨンラン(演者チャン・ヘジン)」
サンギル(演者チェ・デフン)の妻であるヨンランは、長年「従順」という言葉の重みに耐え続けた女性である。夫の横暴に何一つ逆らわず、仮面のまま生きた彼女の姿は、静かなる悲劇そのものだった。しかし、ついにヨンランが声を上げる。
夫への怒りを込めた「離婚宣言」は、火山のように噴き出す魂の叫びであった。見捨てられたサンギルのうろたえぶりは滑稽であり、同時に痛快でもあった。
●女性キャラ/ランキング4位「グァンネ(演者ヨム・ヘラン)」
物語の序盤から強烈な個性を見せた女性だった。夫を早く亡くし、海女としてエスンをはじめ子供たちを必死に育てた。それでも、エスンを絶対に海女にしたくなかった。たとえ親戚を敵にまわしても…。それは、「エスンを広い世界に出してあげたい」という大きな夢があったからだ。
肺を病んで若くして命を終えなくてはならなかつたことは、どれほど無念だったことだろうか。エスンの胸にいつまでも生きていた「最高の母親」だった。
●女性キャラ/ランキング3位「中年エスン(演者ムン・ソリ)」
時を経て中年になったエスンは、社会の偏見や男尊女卑という古い鎖を断ち切ろうとした。その象徴が漁村組合長というポストである。
対立候補のサンギルは金と食で票を釣ろうとしたが、エスンは真摯な言葉と行動で人々の心をつかんだ。そして、見事に勝利した。支援者とともに踊ったあのシーンは、まさに希望が波となって打ち寄せた瞬間であった。
●女性キャラ/ランキング2位「クムミョン(演者IU)」
ヨンボム(演者イ・ジュニョン)の母は、冷たい眼差しと厳しい舌鋒で、息子の恋人クムミョン(IU)を拒絶した。その姿は、まるで厚い氷の壁のように固く頑なであった。クムミョンがどれほど優れていても、ヨンボムの母にはそれが見えなかった。
貧しさを理由に彼女の実家を見下し、さらにはエスンにまで結婚の中止を迫っていた。ついにクムミョンは決断した。自分と家族の自尊心を守るために、愛する人との結婚を諦めた。そして、新しい人生に向かって果敢に歩き出した。
●女性キャラ/ランキング1位「若いエスン(演者IU)」
若き日のエスンは、夢に燃える魂を抱いた女性だった。「ソウルの男と結婚して詩人になる」という人生設計は、まるで星を目指すような純粋な願いであった。身近にいたグァンシク(演者パク・ボゴム)には素っ気なく接していたが、やがてふたりは釜山(プサン)まで逃避行を決行する。
高校生という年齢でありながら、恐れを知らぬ行動力はずば抜けていた。果敢に飛び出していくその姿は、人生の痛みと輝きの両方を抱えた青春の化身であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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