世界的に大ヒットしているNetflixシリーズの『トラウマコード』。何から何まで規格外の医療ドラマだ。まずは、チュ・ジフンが演じる主人公ペク・ガンヒョクが飛び抜けている。
【写真】12年ぶりの医療ドラマが大ヒット!チュ・ジフンの“嬉しいサプライズ”
彼は天才的な外科医として中東の紛争地域でも大活躍していた。そんな彼が大学病院の重症外傷チームのリーダーとして赴任してくる。これは大臣の肝入りの人事だった。
しかし、大学病院側は猛反発する。特に院長は、患者の命を救うことより、「赤字を出さない病院経営」のことしか頭にない人物だ。それなのに、ペク・ガンヒョクは患者の命を救うためだったら、どんな経費でも惜しまず使ってしまう。結果的に重症外傷チームは大赤字に陥っている。
それゆえ、ペク・ガンヒョクは院長の陰謀によって追放されそうになるのだが、彼はまったくひるまず、患者のために獅子奮迅の活躍をしていく。とにかく、外科医としての腕が超一流なので、今まで救えなかった命もどんどん助けている。
そんなペク・ガンヒョクの弟子第一号になったのが、若手医師のヤン・ジェウォンだ。『オク氏夫人伝 -偽りの身分 真実の人生-』でも人気になったチュ・ヨンウが演じている。
この若手医師は小心者だ。しかし、どういうわけかペク・ガンヒョクに気に入られて徹底的にこき使われていく。最初は逃げ回っていたヤン・ジェウォンだが、ペク・ガンヒョクの天才性に気づいてからは、とにかくひたすら従っている。その中でヤン・ジェウォンは飛躍的に外科医としての腕を上げていくのだ。
こうして『トラウマコード』はペク・ガンヒョクとヤン・ジェウォンという2人の師弟を中心に物語が進んでいく。韓国ドラマはどんなジャンルでもラブロマンスが必ず加わるのだが、この『トラウマコード』は違う。恋愛要素をまったく描かず、ひたすらペク・ガンヒョクの型破りな言動を見せて、病院経営の算術ぶりを暴き出している。
本当に今までこんな医療ドラマはなかった。そこに『トラウマコード』の革新性があり、それが世界で大ヒットした理由だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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