チ・ジニとチャン・ドンユンといえば、時代劇に縁が深い俳優だ。チ・ジニの場合は、『宮廷女官チャングムの誓い』で主役のイ・ヨンエの相手役に扮したし、『トンイ』では、19代王の粛宗(スクチョン)を堂々と演じていた。また、チャン・ドンユンは、主演した『ノクドゥ伝~花に降る月明り~』で素晴らしい殺陣を披露していた。
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そんな2人には、異色の経歴がある。とにかく、俳優になったきっかけがとても変わっているのだ。そのあたりを順に説明しよう。
まず、チ・ジニから。
彼は子供のときから俳優志望ではなかった。デザイナーになりたかったのだ。それゆえ、チ・ジニは大学でデザインを専攻し、専門知識をマスターして広告会社に就職した。入社後は広告デザイナーとして大活躍しており、当時は俳優に転身するとは夢にも思っていなかった。
しかし、韓国で1997年に勃発した経済危機がチ・ジニの将来をガラリと変えてしまった。極端な不況によって彼が務める会社も経営不振となり、やむをえずチ・ジニも次の就職先を探さなくてはならなくなった。そんなときに彼は芸能関係者にスカウトされて、結局は俳優の道を志すことになった。すべては経済危機がチ・ジニの運命を変えたのである。
一方、チャン・ドンユンの場合はどんな転機があったのだろうか。
彼が漢陽(ハニャン)大学・経済金融学部の学生だったときの話だ。学業の合間にコンビニでアルバイトをしていると、店内で強盗に遭遇した。それは恐ろしい出来事だったに違いないのだが、チャン・ドンユンは犯人の検挙に大いに協力して、事件の解決に貢献した。しかも、強盗事件のニュースの中でチャン・ドンユンの顔もテレビ画面にしっかり映っていた。
それを見ていた芸能関係者が、チャン・ドンユンのルックスに興味を持った。そして、彼を芸能事務所にスカウトしたのである。
卒業したら金融関係の会社に就職したいと思っていたチャン・ドンユン。
彼は芸能界に誘われて大いに悩んだが、「人生は一度きり」と考え直して、結局は芸能界に進むことを決断した。これは大正解だった。チャン・ドンユンは俳優として立派に活躍している。
文=大地 康
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