美しいラブロマンスは、ドラマが描くテーマの中で最も視聴者の関心を集めるかもしれない。誰もが、恋の行方が気になって仕方がないのだ。さらに、好意を寄せあっている男女の微妙な距離感というものも、恋愛ドラマの格好な題材になりうる。
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●『二十五、二十一』(2022年)
出演者(役名)/キム・テリ(ナ・ヒド)、ナム・ジュヒョク(ペク・イジン)、キム・ジヨン/ボナ(コ・ユリム)、イ・ジュミョン(チ・スンワン)、チェ・ヒョヌク(ムン・ジウン)
〔ここが見どころ!〕5人の青春群像を取り上げたドラマ。夏の修学旅行のシーンがとても印象的だった。メインストーリーは、フェンシングに打ち込む女子高校生ヒドと経済危機でアルバイトを掛け持ちする苦学生イジンのラブロマンス。
特にキム・テリの天才的な演技が素晴らしい。名場面がとても多く、「借金取りに責められたイジンをヒドが励ます」「傷心のヒドが食堂で老人たちになぐさめられる」などのシーンが感動的だった。
●『その年、私たちは』(2021-2022年)
出演者(役名)/チェ・ウシク(チェ・ウン)、キム・ダミ(クク・ヨンス)、キム・ソンチョル(キム・ジウン)、パク・チンジュ(イ・ソリ)
〔ここが見どころ!〕主人公は、天才的なイラストレーターのウンと高校時代の同級生だったヨンス。2人はドキュメンタリー番組を通して愛情を育ててきたが、その後に別れてしまった。そんな2人の10年にわたる離別と再会の物語が繊細に描かれていく。
感情が高まったウンがヨンスに「愛してほしい」と切実に告白していく場面が心にジーンと残る。また、チェ・ウシクの自然体の演技がとてもいい。
●『愛と、利と』(2022-2023年)
出演者(役名)/ユ・ヨンソク(ハ・サンス)、ムン・ガヨン(アン・スヨン)、クム・セロク(パク・ミギョン)、チョン・カラム(チョン・ジョンヒョン)
〔ここが見どころ!〕銀行の支店で働く4人の男女の感情的な行き違いをスリリングに描いている。銀行員のサンスは契約社員のスヨンに好意を寄せるが、彼女の気持ちを理解できずに、素直に思いを伝えられない。
スヨンのほうも、サンスの対応の中に信じ切れないものを感じてしまう。そんな2人の愛は果たして実を結ぶのか。とことんハラハラさせられる展開が最後まで続いていく。
●『愛の不時着』(2019~2020年)
出演者(役名)/ヒョンビン(リ・ジョンヒョク)、ソン・イェジン(ユン・セリ)、キム・ジョンヒョン(ク・スンジュン)、ソ・ジヘ(ソ・ダン)
〔ここが見どころ!〕過去10年、ラブロマンスを描いた韓国ドラマの最高峰に位置づけられる作品。ヒョンビンとソン・イェジンが扮する主人公2人の存在感が抜群で、脚本と演出も卓越していた。さらに、北朝鮮というラブロマンスが誕生しにくい舞台を巧みに取り入れた物語も秀逸だった。
ヒョンビンとソン・イェジンは実生活でも結婚して幸せな日々を過ごしている。アフターストーリーも申し分がなく、まさに無敵のドラマだ。
●『梨泰院クラス』(2020年)
出演者(役名)/パク・ソジュン(パク・セロイ)、キム・ダミ(チョ・イソ)、クォン・ナラ(オ・スア)、ユ・ジェミョン(チャン・デヒ)
〔ここが見どころ!〕スケールが大きいヒーロー成長物語。主人公パク・セロイは、高校時代に悲惨な目にあった。高校を中退せざるをえなかったし、父親まで殺された。憎むべき相手は、大手外食産業の会長とその息子だ。
2人に仕返しをするためにパク・セロイはとことん奮闘していく。しかし、ただの復讐劇ではない。ドラマの根底には濃密なラブロマンスが描かれていて、パク・セロイの生き方に男女愛が深く関わってくる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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