テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『善徳女王』では、11月12日の第51話で、ついにトンマン(イ・ヨウォン)が女王になった。これから、彼女が先頭に立って新羅(シルラ)を強国に導いていくことになるだろう。
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それにしても、『善徳女王』においてミシル(コ・ヒョンジョン)の存在感が凄かった。彼女は国王を上回る権力を独占して新羅(シルラ)を縦横無尽に操った。
そんなミシルを演じたコ・ヒョンジョンの演技が語り草になっている。
ミスコリア出身の美貌を誇る大女優の彼女が、『善徳女王』では妖艶な雰囲気を存分に出して怪物のようなキャラクターを演じきった。彼女の卓越した表現力が『善徳女王』を比類なきドラマに仕上げたといっても過言ではなかった。
実際、コ・ヒョンジョンが扮したミシルは、数多い韓国時代劇の中でも『宮廷女官チャングムの誓い』のヒロインのチャングムに並ぶほどの偉大なキャラクターであったとも言える。そのミシルが、かつて捨てた子供がピダム(キム・ナムギル)だった。
彼はミシルの実子であるのに、彼女が最後まで我が子に優しい言葉をかけることはなかった。
たくましく成長したピダムは、ミシルが自害する瞬間まで母の愛に飢えていたが、彼女のほうは我が子に対して厳しい態度を崩さなかった。心の中では、とても強い母性愛を抱えていたとしても……。それがミシルという怪物の生き方だった。
ピダムはどんなに辛かったことだろうか。その辛さに耐えていた彼をキム・ナムギルが抒情的に演じ切っていた。そうしたシーンを見ても、キム・ナムギルの奥深い感性を十分に感じ取ることができた。
こうしてミシルはこの世を去り、トンマンが女王となる新しい時代に入った。これからはピダムの動向から目が離せない。終盤を迎えてきた『善徳女王』の今後の展開が本当に楽しみだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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