テレビ東京の韓流プレミアで最終回を迎えた『宮廷女官チャングムの誓い』で、イ・ヨンエ演じるチャングムが医女になる前、水刺間(スラッカン)の女官として仕事をしていたときの師匠だった女性ハン尚宮(サングン)を演じていたのがヤン・ミギョンである。
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見習いだったチャングムに対して、ハン尚宮は厳しいながらも愛情をもって弟子を正しい道に導いていった。まさに、理想的な女官を演じきったヤン・ミギョンは、『宮廷女官チャングムの誓い』が傑作になるうえでの立役者の1人だった。
韓国時代劇を見ていると、韓服がよく似合う上品な女優が目につく。その中でも、ヤン・ミギョンは典型的なその1人だと言える。
こうして時代劇での演技が評価された彼女は、2012年に視聴率40%を超えた大ヒットドラマの『太陽を抱く月』でも、とても印象的な役柄を演じた。
それは、ヒロインの優しい母親の役だったが、身分的には高官の妻であり、物腰が本当に上品であった。その振る舞いは、「朝鮮王朝時代の高官の妻はこんなふうに所作が立派なのだろうなあ」と素直に感じられるほどだった。
そして、2018年に制作された『不滅の恋人』においてヤン・ミギョンは、主人公となる2人の王子の母親を演じた。立場は、国王の母親を意味する大妃(テビ)である。
大妃といえば、間違いなく王族の最長老であり、威厳は国王以上であった。そんな高貴な身分をヤン・ミギョンは堂々たる存在感で演じきった。ドラマの中で大妃は国王の後継者問題で悩み続けるのだが、そういう感情も、ヤン・ミギョンは繊細に気高く表現していた。
こうして3つの時代劇を順に見ていくと、ヤン・ミギョンの役は「女官」から「高官の妻」に上がり、さらに「大妃」にまでのぼりつめている。その度にヤン・ミギョンは、多様性を発揮しながら状況に合わせた演技力を発揮していた。
『宮廷女官チャングムの誓い』でもハン尚宮として注目を集めたヤン・ミギョン。主演のイ・ヨンエ、チェ尚宮に扮したキョン・ミリとも息ピッタリで最高の演技を見せてくれた。やはり、彼女は時代劇で特に存在感が際立つ女優なのである。
文=大地 康
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