ドラマ『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』の主役は、シン・ヘソンとキム・ジョンヒョンだ。この2人が王宮で不思議なラブロマンスを繰り広げていくのだが、展開が本当に奇想天外で痛快だ。果たして、どんな内容なのだろうか。
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現代の大統領官邸で働くシェフのチャン・ボンファンの魂そのものが、朝鮮王朝の後期に存在した王妃キム・ソヨンのからだに宿ってしまうというのがメインストーリーである。
このキム・ソヨンは、歴史的には哲仁(チョリン)王后に該当している。その王妃を人気女優で視聴率女王とも呼ばれるシン・ヘソンがノリノリで演じている。
さらに、王妃の夫となっている哲宗(チョルジョン)は、『愛の不時着』で有名になったキム・ジョンヒョンが生真面目に扮している。
それにしても、物語の主要な登場人物として哲宗を取り上げたことが、このドラマの斬新なところだ。というのは、彼は今までの時代劇であまり取り上げられてこなかったからだ。史実をチェックすると、1849年に24代王の憲宗(ホンジョン)が急死してしまったことが歴史的な発端だった。
憲宗には息子がおらず、有力な後継ぎがいなかった。それで、田舎で農業をしていてまともに学問を学んでいなかった王族の青年が急に新しい国王に任命されたのである。それが哲宗であり、彼は混迷した後継者争いの中で「棚からボタ餅」のように誕生した王であった。
そんな王の正室である哲仁王后をタイトルにしているドラマだけに、王妃の存在感が強烈だ。しかも、王妃の身体に現代韓国の男性の魂が宿っていき、彼女の所作が男性そのものになってしまい、挙動不審が一気に露見した。
そうした騒動が王宮をどんどん巻き込み、朝鮮王朝の王族や女官たちが取り乱していく姿が本当に面白く、ラブコメ時代劇としても抜群の出来となっている。
これほど面白い『哲仁王后~俺がクイーン⁉~』が、ようやくNetflixで配信されるようになった。見なければ大損するので、この機会にぜひ堪能しよう。
文=康 熙奉(カン ヒボン)
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