キム・スヒョンが2012年に大ヒットした『太陽を抱く月』で主役を演じたときは24歳だった。そして、36歳の今年、彼は『涙の女王』の主役として最高級の称賛を受けている。まさにこの12年の彼は俳優として最高の時間を過ごしたのである。
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始まりは『ドリームハイ』だった。このドラマの成功で『太陽を抱く月』の主役に抜擢されたキム・スヒョンは、初恋の人が忘れられない国王を抒情的に演じた。こうして、主役俳優として堂々たる道を歩き始めた。
そんな彼が次に飛躍したのが、『星から来たあなた』のト・ミンジュンという役だった。この男は、400年以上も不変的な容姿をしており、時間を止めてしまうような異次元的能力を持っている。このように、突拍子もない設定のキャラクターなのだが、キム・スヒョンは冷静かつシニカルに演じた。
チョン・ジヒョンという大物女優と堂々と渡り合った25歳のキム・スヒョンは、早くも深淵の世界をのぞかせてくれるような神秘性を演技の中に内包していた。
さらに、演じた役で独特な世界観を見せてくれたのが『サイコだけど大丈夫』であった。キム・スヒョンは自閉スペクトラム症の兄サンテ(オ・ジョンセ)を持つ介護士ムン・ガンテに扮していた。
キム・スヒョンは役作りのために実際に介護士に様々な話を聞き、努力によって表現をいかに深めていけるかを考え抜いたという。その表現が演じる役の希望につながると彼は信じたのだ。
ただし、『サイコだけど大丈夫』の撮影中に、キム・スヒョンに微妙な変化が起こった。
「自分自身が悲しみを感じていなくても、見ている人をとても悲しい気持ちにさせて泣かせることができる、と思うようになりました」
このように語る時点で、キム・スヒョンは真の意味で「演技者」の領域に到達したのかもしれない。
そして、『太陽を抱く月』『星から来たあなた』『サイコだけど大丈夫』と歩んだ「黄金の道」は最高峰の『涙の女王』に至ったのである。とはいえ、まだゴールは先だ。彼はこれからも大いなる成長を見せてくれることだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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