『青春ウォルダム』でパク・ヒョンシクが演じる世子はなぜ孤独なのか

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NHKで放送中の『青春ウォルダム 呪われた王宮』では、パク・ヒョンシクが演じるイ・ファンが常に孤独の中にいる。本当に寂しそうだ。その理由はいくつもある。それは、世子(セジャ)という職責の重さが関係している。

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世子は次の国王を約束された身分だ。つまり、世子というのは朝鮮王朝のナンバー2を意味しているのだ。通常なら、国王の長男が5歳くらいに正式に世子に任命される。すると東宮(トングン)が設置されて内官や女官が身のまわりの世話をする。さらに、世子がいつ国王になってもおかしくないように組織と体制が整っていく。

それだけに、責任が重大となる。間違いなく、普通の大君(テグン/国王の正室が産んだ王子)とは比べられないほどの重圧が押し寄せてくる。それだけに世子は概して孤独にならざるを得ないのだ。

しかも、イ・ファンの場合は兄が急死したことにともなって世子になっている。まさに緊急事態で世子に就いたわけで、通常よりさらに重圧が押し寄せてくるだろう。

それなのに、イ・ファンは「呪いの書」によって脅迫までされている。「兄を毒殺したから自分も死ぬ運命にある」と理不尽に予告されているだけに、まともな精神状態ではいられない。夜も眠れないほど憔悴してしまうだろう。そうなれば、さらに孤独にならざるを得ない。

青春ウォルダム 呪われた王宮
画像=tvN

見ている人たちに感銘を与えるドラマ

そんなイ・ファンの絶望感をパク・ヒョンシクが巧みに表現している。彼は視線の儚(はかな)さや愁いを含んだ表情でイ・ファンの底知れぬ悲しみを見せてくれる。このあたりがパク・ヒョンシクの演技力が素晴らしいところである。

彼は苦境に陥っている世子を等身大で演じて、見ている人たちに感銘を与えている。そういう意味で、パク・ヒョクシクを通して世子の辛さをひしひしと感じるのが『青春ウォルダム 呪われた王宮』というドラマなのである。

【『青春ウォルダム 呪われた王宮』ドラマ概要】
〔放送日時〕 
●NHK BSP4K 毎週日曜午後9時00分 
●NHK BS   毎週金曜午前0時25分[木曜深夜] 
〔役名/出演者〕
イ・ファン/パク・ヒョンシク
ミン・ジェイ(コ・スンドル) /チョン・ソニ
チャン・ガラム /ピョ・イェジン
ハン・ソンオン/ユン・ジョンソク

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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