人気を集めているドラマ『涙の女王』。毎週土日に韓国のtvNで放送されていて、日本では同時配信のNetflixで見ることができる。ドラマの内容は、クイーンズグループのデパート部門の社長ホン・ヘイン(キム・ジウォン)と夫で同グループの法務部で活躍するペク・ヒョヌ(キム・スヒョン)の夫婦の危機と再生を描いている。その中で、ヘインというキャラクターが本当に異彩を放っている。
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彼女は韓国で有数の財閥グループの3世であり、何不自由なく育ってきたので、強烈な我の強さを持っている。頭脳明晰で優秀な学歴があり、若くしてデパートの経営者にもなっている。
「自分には才能がある」「何でもできる」という意識が強く、プライドの塊のような女性なのだ。そんな彼女が財閥企業の社員に過ぎなかったペク・ヒョヌと結婚し、案の定、夫婦の危機を迎えていた。
ヒョヌは絶対に離婚すると意気込んでいたのだが、なんとヘインは余命が少ないと医師から宣告されてしまう。それによってヒョヌの対応がガラリと変わり、彼は離婚を決意していたのに全くその素振りを見せなくなった。というか、妻が死んでくれることを願い続ける有様だった。
しかし、ヘインは本当にたくましい女性だ。余命が少ないと宣告されても世界中の医療関係の論文を調べて自分の治療に可能性を見出していく。彼女も一時的には絶望な気持ちになったのだが、むしろ絶対に自分は死なないと信じ切って、どんな事業にも前向きに取り組むようになった。
そんな彼女の前に現れたのが学生時代の仲間であり、M&Aの専門家のユン・ウンソン(パク・ソンフン)だ。彼は本当に怪しい男なのだが、ビジネスのためにヘインもウンソンを利用していかなければならない。そういう意味ではむしろヘインのほうがしたたかであり、一枚上手の戦略家かもしれない。
こういうヘインというキャラクターを演じているキム・ジウォンは、前作の『私の解放日誌』では女性の自立した生き方を模索する奥の深い主人公を演じていた。それが一転して自尊心が異様に高くて周囲とアツレキを起こすような社長に扮している。まさにキム・ジウォンの演技上の幅広さを存分に見せてくれている。彼女の活躍で『涙の女王』はますます面白くなっていくだろう。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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