めまぐるしく作品の人気が移り変わっていく韓国ドラマ界。「ラブコメ」「純愛」「医療」「ファンタジー」「時代劇」といったジャンルごとに話題のドラマが次々に作られている。その中でも、長い期間にわたってトップ級の活躍を続けているのが、ソン・ヘギョ、チェ・ジウ、ソン・イェジン、ハン・ヒョジュの4人だ。
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彼女たちには明確な共通点がある。それは、ユン・ソクホ監督が2000年から2006年にかけて制作した四季シリーズのヒロインを演じた、ということだ。
若い韓流ファンなら、リアルタイムで四季シリーズを見ていないと思われるが、この四季シリーズは4つのドラマで成り立っている。制作された順番で言うと、『秋の童話』(2000年)、『冬のソナタ』(2002年)、『夏の香り』(2003年)、『春のワルツ』(2006年)である。
各作品の主演俳優は以下の通りだ。
『秋の童話』=ソン・スンホン&ソン・ヘギョ
『冬のソナタ』=ペ・ヨンジュン&チェ・ジウ
『夏の香り』=ソン・スンホン&ソン・イェジン
『春のワルツ』=ソ・ドヨン&ハン・ヒョジュ
こうして見ると、そうそうたる俳優が四季シリーズの主役となっている。しかし、四季シリーズが最後まで完成した背景には、第1作となった『秋の童話』の大成功が大きかった。
生まれた子供の取り違え事件を背景にしたこのドラマは、視聴者の涙腺をゆるめて大人気となり、視聴率も平均33%、最高44%を記録した。特に、ヒロインのウンソを演じたソン・ヘギョは、新人女優から一躍スターとなり、一気に知名度をあげていった。
大成功に自信を深めたユン・ソクホ監督は第2作として『冬のソナタ』を企画し、ペ・ヨンジュンとチェ・ジウという人気俳優を起用した。誰もが知るように、『冬のソナタ』は韓国ドラマの歴史を変える記念碑的な作品となり、日本を含めてアジア各地で韓流ブームを巻き起こした。
「秋」と「冬」の次に、ユン・ソクホ監督がテーマにしたのが「夏」であった。心臓移植も重要なストーリーになっていた『夏の香り』では、『秋の童話』に引き続いて再びソン・スンホンを主役にして、映画で新進女優として注目されていたソン・イェジンをヒロインに抜擢した。
意欲的な作品ではあったが、平均視聴率は伸び悩み、10%程度だった。視聴率でドラマの評価が定まるわけではないが、前2作とは人気度が違った。それによって、以後の制作環境が順風とはいかないのも仕方がなかった。
それでも四季シリーズの完結に執念を燃やしたユン・ソクホ監督は、『春のワルツ』の制作をようやく2006年に実現させた。しかし、当初予定された人気女優が撮影の直前に出演を取りやめ、代役として急遽起用されたのが無名の新人女優だった。それがハン・ヒョジュである。
全体としてみると、あわただしく制作されたという感が否めない。撮影中にソ・ドヨンが負傷して放送が1週間飛ばされるという放送事故も起こり、『春のワルツ』は苦難続きだった。平均視聴率も9%を下回った。
とはいえ、『春のワルツ』はハン・ヒョジュを世に送り出したドラマとして記憶される。彼女は当初こそ「演技不足」の批判を受けたが、後半には女優としての成長をはっきりと実感させた。
間違いなく、四季シリーズの4人の女優……ソン・ヘギョ、チェ・ジウ、ソン・イェジン、ハン・ヒョジュは、今も韓国のトップ級の女優である。彼女たちにとって四季シリーズは、女優人生の重要な節目を飾った「思い出深い作品」になっている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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