【ドラマ解説】『赤い袖先』でイ・ジュノが演じるイ・サンの苦闘にハラハラさせられる

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テレビ東京の韓流プレミアで放送中の『赤い袖先』。9月22日の第16話では、主人公のイ・サンが、またまた窮地に陥ってしまった。英祖(ヨンジョ)を囲んで祝宴を開いていたとき、英祖の御膳にケジャン(蟹を醤油漬けにした料理)と柿が差し出されてしまったのだ。この「ケジャンと柿の組み合わせ」は、英祖を非常に激怒させる要因であった。

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その理由を知るには、1724年まで話がさかのぼる。実は、英祖は異母兄の景宗が亡くなったことで国王に就いたのだが、その景宗が命を落とした原因が、食べ合わせの悪い「ケジャンと柿」を食べてしまったことだった。しかも、主治医の反対を押し切って景宗に食べさせたのが英祖自身であった。

そうしたことから英祖が景宗を毒殺したのではないか、という噂が宮中で広まり、それは英祖にとって大変なトラウマになった。

以後も王宮の中で英祖にケジャンと柿の話をするのは禁句となっていたはずなのに、英祖の御膳にわざわざケジャンと柿が出されてしまった。

誰の陰謀かは、およそ察しがつくのだが、イ・サンは自分が主宰した祝宴だということで、すべての責任を自ら背負った。予想どおり英祖は大激怒して、イ・サンに対して謹慎を申し渡した。

『赤い袖先』ではイ・ジュノがイ・サンを演じた(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)

表現力が問われる場面

このように状況は悪くなる一方であった。せっかくイ・サンは代理聴政(テリチョンジョン/摂政のこと)を任せられていたのに、取り消される羽目にもなりかねなかった。

実際、イ・サンは世孫(セソン)という立場でありながら、国王の後継者という資格を剥奪されるピンチに度々陥っている。それは彼の周囲に政敵があまりに多かったからだ。そんな中でもイ・サンは孤軍奮闘しながら国王になる日を待ち続けた。

そういうイ・サンの立場をわきまえながら、イ・ジュノは巧みに感情を抑えた演技でドラマを引き締めていた。まさに表現力が問われる場面でも、イ・ジュノは視線を状況に応じて変えながら迫真の演技を見せてくれた。イ・サンが国王になるまでさらに苦難が続いていく。その度にイ・ジュノの多彩な演技が名シーンを飾ってくれるだろう。

文=大地 康

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