テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『イ・サン』では第60話と第61話において、ソン・ソンヨン(ハン・ジミン)の弟の問題が取り上げられていた。その弟というのは、ユ・ジョンソクが演じているソン・ソンウクである。
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ソンヨンは幼くして王宮に入っていき、弟のソンウクとは離れ離れになっていた。その後、ソンヨンがソンウクの消息を尋ねた時は、疫病で死んだと聞かされていた。それゆえ、ソンヨンは弟がもはやこの世にいないと思い込んでいた。しかし、ソンウクは生きていたのである。
彼は姉のソンヨンの存在を知っていた。彼女がピンチになったときに助けてあげたい、と見守っていたのである。しかし、彼は当時禁止されていた天主教(キリスト教)の信者であり、表だってソンヨンに自分の存在を名乗ることができなかった。
そんなソンウクは逆賊と間違えられて逃亡中に弓を撃たれてしまった。幸いにソンヨンに助けられたのだが、それでもソンウクは自ら名乗り出ることはしなかった。しかし、彼の友人を通してソンヨンはソンウクこそが死んだはずの弟であると悟るようになった。こうして行き別れた姉と弟は再会を果たすことができた。
これまでソンヨンの家族の問題というのは『イ・サン』の中で取り上げられていなかったが、終盤になってようやくソンヨンの生い立ちが明らかになった。そこには弟との悲しい別れがあり、そして嬉しい再会が用意されていた。
ドラマはイ・サンが即位した後、激しい権力闘争や洪国栄(ホン・グギョン)の妹の死という深刻な問題が取り上げられていたが、その中で視聴者が本当に喝采を送ったのがソンヨンと弟の再会であった。
『イ・サン』を制作したイ・ビョンフン監督は「時代劇の巨匠」として揺るぎない名声を持っているが、彼は歴史を扱いながら常に「人間の情」を深く描くことでも定評がある。それが人気の秘訣にもなっている。今回も、ソンヨンとソンウクのエピソードは本当に心温まるものであった。
文=大地 康
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