2022年の韓国ドラマはサスペンス系のドラマが多かった。その中から3つを選ぶとすれば、キム・ヘスが冷静な判事を演じた『未成年裁判』、キム・ゴウンの驚きの表情が繰り返された『シスターズ』、ソ・イングクが何でもありの怪演を見せた『美男堂の事件手帳』を挙げたい。どれも展開がスリリングで本当に面白い。
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●『未成年裁判』
(2022年/Netflix/全10話)
主演(役名)/キム・ヘス(シム・ウンソク)、キム・ムヨル(チャ・テジュ)、イ・ソンミン(カン・ウォンジュン)
『未成年裁判』というタイトル通り、犯罪を起こした未成年たちを裁く判事たちの生々しい姿が描かれている。キム・ヘスが扮するシム・ウンソクは、地裁の少年刑事合議部・右陪席判事として新しく赴任してきたが、協調性がなく唯我独尊というタイプ。
そのために、人情家の左陪席判事チャ・テジュ(キム・ムヨル)と意見が合わないことが多いが、彼女の仕事に対する情熱はとても高く能力も凄い。しかし、上司のカン・ウォンジュン(イ・ソンミン)が出世にこだわる俗物でシム・ウンソクを悩ませる。
こうした登場人物たちが奇怪な事件に立ち向かうが、犯人の複雑な家庭環境がサスペンス要素たっぷりだ。
●『シスターズ』
(2022年/tvN/全12話)
主演(役名)/キム・ゴウン(オ・インジュ)、ナム・ジヒョン(オ・インギョン)、パク・ジフ(オ・イネ)
物語を動かしているのは貧しい環境で育った三姉妹。長女のオ・インジュ(キム・ゴウン)は自殺した会社の先輩から大金を託され、テレビ局の報道記者の二女オ・インギョン(ナム・ジヒョン)は勤務中に飲酒がばれて停職をくらうがソウル市長選挙候補者一家の巨大な不正に関わっていく。
その一家の娘と親しいのが三女のオ・イネ(パク・ジフ)で、彼女も普通の高校生に戻れなくなる。こんなふうに三姉妹の身近で常軌を逸した事件がひんぱんに起こり、巨大な闇が次々に明らかになっていく。謎が徐々に解かれていく過程にはピリピリするほどの緊張感がある。
●『美男堂の事件手帳』
(2022年/KBS/全18話)
主演(役名)/ソ・イングク(ナム・ハンジュン)、オ・ヨンソ(ハン・ジェヒ)
主人公2人の対立構造がとても面白い。ソ・イングクが演じる男巫(パクス)のナム・ハンジュンはケタ違いの透視力を持っていて顧客から人気を博している。しかし、彼は悪行を繰り返す男を警察署から釈放させる役回りをしており、強く反発したのがハン・ジェヒ(オ・ヨンソ)だ。
彼女は「ハン鬼」と称されていて、身近の凡人刑事とは捜査能力が違いすぎる怪物刑事だ。こうして男巫と女性刑事の壮絶でユニークな闘いがドラマを彩っていくが、スリリングな展開には本当にハラハラさせられる。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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