売れっ子脚本家のキム・ウンスクが、『ザ・キング:永遠の君主』以来2年ぶりに帰ってくる。今回はシンデレラストーリーではなく、凄絶な復讐劇だ。
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キム・ウンスクは自他が認めるヒットメーカーで、ラブコメにおいては右に出る者はほとんどいない。
2004年のドラマ『パリの恋人』は最高視聴率57%を突破したし、その後も『シークレット・ガーデン』『相続者たち』『トッケビ~君がくれた愛しい日々~』『太陽の末裔』など、数多くのメガヒット作品を生み出した。
また、キム・ウンスク作品の主演を務めたヒョンビン、イ・ミンホ、パク・シネ、コン・ユ、キム・ゴウン、ソン・ジュンギ、ソン・ヘギョらは韓流スターとして爆発的な人気を博した。
キム・ウンスク作品にはとある特徴がある。何でもできる財閥の主人公、貧乏だが明るいヒロイン、彼らと関わりを持つサブカップル、そして主人公カップルの愛を邪魔する要素まで。“キム・ウンスク印”とも言えるこの要素は作品ごとに繰り返され、視聴者のマンネリを呼び寄せた。
特に、2020年6月に放送終了した『ザ・キング:永遠の君主』は、キム・ウンスクにしっかりとブレーキをかけた。
トップ俳優のイ・ミンホ、キム・ゴウンを主演に迎えてパラレルワールドを舞台とするロマンスを描くも、最高視聴率は11%。最終回は8.1%で静かに幕を閉じたのだ。たとえ作品性がイマイチでも、話題性だけは抜群だったキム・ウンスク作品初の惨敗と言える。
そんなキム・ウンスクが満を持して挑むのが、Netflixオリジナルシリーズ『ザ・グローリー ~輝かしき復讐~』。このドラマには財閥主人公も、貧乏なヒロインも登場しない。
12月20日の制作発表会に出席したキム・ウンスクは、「私は高校生の娘を持つ母親なので、校内暴力という素材が身近なテーマだった。いつか娘とそういう話をしながら、もし(売れっ子脚本家である)私のせいで娘が不必要な関心を浴びるのでは?誤解を招くのでは?と心配したら、娘から『もうキム・ウンスクの時代じゃないでしょ?』と言われた。それが最初のショックだった」と告白した。
そして「ニ番目のショックは、『ママは私は死ぬほど(人を)殴るのと、死ぬほど殴られるの、どっちが胸が痛い?』と聞かれたこと。(想像すると)地獄すぎて、その短い瞬間に色々な物語が頭に広がって、すぐにパソコンを立ち上げた。そこから始まったのが『ザ・グローリー』だ」と、執筆のきっかけを明かしている。
出演した俳優たちも「台本を読んでビックリした」と口を揃えた。それだけ、キム・ウンスク印からかけ離れているという。
初の復讐劇を書いたことについて、キム・ウンスクは「私もずいぶんと変わった。女子高生の娘との生活が平和のカケラもなく、悪いことを上手く書けそうだった(笑)。すべての悪意を込めて、ジャンル作品に挑戦した」と話した。
「変化の必要性を感じたのでは?」という質問については、次のように語っている。
「私は今まで、作品を書きながらほんの少しずつ進歩していたと思う。自己複製はしないようにと少しずつ変化していたところ、今度はジャンルドラマと思った。Netflixが支援してくれるので、まだまだやらせてくれると思った(笑)。私たち(俳優と制作スタッフ)は同じチームだからかもしれないが、一応台本を褒めて下さったので、面子は保つんじゃないかと思う。失敗したら、また挑戦するだけだ」
娘とのエピソードを披露しながら自らをディスってみせたキム・ウンスク。自分の名声と期待がかつてほど高くないことを承知している彼女は、『ザ・グローリー』で新境地を開くか。ドラマに対する世間の反応に、注目が集まる。
(記事提供=OSEN)
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