Netflixで同時配信中のドラマ『還魂』(tvN)の衣装を担当するチョ・サンギョン監督が、インタビューを通じて衣装制作のエピソードを公開した。
『還魂』は、架空の国・大湖(テホ)国を舞台に、魂を取り替える“還魂術”で運命をねじられた主人公たちがそれを乗り越え、成長していくファンタジーロマンス活劇。
お坊ちゃんチャン・ウクと、天下一の殺し屋ナクスの魂が宿ったムドクを演じるイ・ジェウク、チョン・ソミンの熱演はもちろん、多彩なキャラクターと彼らが絡み合う物語、そして派手な見どころで好評を集め、ドラマファンの目を惹きつけた。
そんな中、チョ・サンギョン衣装監督が劇中で登場する衣装について語った。
チョ監督は映画『神と共に』シリーズ、『お嬢さん』『密偵』『天命の城』『ミスター・サンシャイン』など、数多くの話題作に関わっている。彼は今までの作品と『還魂』の衣装の違いについて「すべての作品は違う。『還魂』は、主演陣が若い俳優たちなので今までより軽快で明るい雰囲気を維持しながら、架空の時空間を生きる術師たちの世界に入り込むように悩んだ」という。
実存しない架空の国が舞台のため、衣装制作が大変だったはず。チョ監督は「想像の世界を作るのは魅力的な仕事だが、その分、慎重にならざるを得ない。不慣れさと慣れのどこかで美しさを見つけ、物語の説得力を持たせるのは、興奮するけど冒険でもあった」と打ち明けている。
また、「最初に台本をもらって一番気になり、色々なイメージが浮かんだのは魂の空間という設定だった。この部分が他の作品と最も異なる近づきの始まりだった。ドラマの中の現実空間と魂の空間など、全体的な美術コンセプトを共有し、古代から現在までの韓国の衣服を参考にしながらデザインしていった。すべてのインスピレーションをくれるのはいつも俳優たちだ。俳優の目つき、歩き方、声などから刺激を受けた」と説明した。
『還魂』の作業をしながら前作との最も大きな違いとして「衣装のコンセプトにこだわらなくなった」という。
「ドラマは映画に比べてキャラクターの密度が高く、状況とセリフで伝わる情報も多いのでコンセプトは展開によって変わることもありうる。すべての人物の衣装は身分や俳優のイメージなどを考慮して素敵に見えるようにした。チャン・ウク(演者イ・ジェウク)の衣装は韓服の代表的な塗布を用い、ムドクには朝鮮初期から中期まで存在していた腋注音袍を使うなど、演技をする俳優に合わせて韓服の要素を活用した」と話した。
チョ監督が最も満足する衣装を尋ねると、「俳優たちが本当に愛らしく、衣装は美しい俳優たちによって完成されると思う。衣装だけでは満足できない話だ。韓服を基本とする作品の場合、真っ先に悩むのはシルエットと素材だ。『幻魂』の場合はスカートのしわからデザインし始めサンプリングまで約4カ月かかって、仕上がるまで少し時間がかかった」と明かしている。
最後には、衣装制作における思いと努力を伝えた。
「韓服の長い歴史の中で、どの時代の雰囲気が『還魂』とマッチするかすごく悩んだ。監督や作家さんと多くの質問を交わし、俳優たちにテストしながら重要だったのは、俳優たちが演じるキャラクターを愛し、信じてほしいという部分だった。今まで会ったことのない術師たちなので、ヘアスタイルから時代劇という枠組みを離れる選択をし、キャラクターに集中した。新しいキャラクターを作って見慣れない世界に視聴者を招くにあたって、違和感なく好奇心を持たせるにはどんな方法があるか、どうすれば人物を魅力的に見せるかについて悩みを分け合い、試みた」
『還魂』は韓国tvNで毎週土・日曜21時10分から放送中。Netflixでも同時配信中。
(記事提供=OSEN)
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