韓国ドラマでは強烈な悪女の登場が欠かせないが、それは時代劇も同じだ。特に、歴史に残る悪女がドラマのキャラクターとして出てくるので、説得力がハンパない。
結局、悪女の生かし方によって、歴史が舞台になっている時代劇もさらに面白くなってくるのだ。そんなテイストのドラマを選んで究極ランキングを作ってみた。果たして、どんな作品がランキングの上位に並んでいるだろうか。
最高視聴率が50%を越えて放送回数が50話も延長されたという伝説の傑作時代劇。主人公はカン・スヨンが演じた鄭蘭貞(チョン・ナンジョン)だった。確かに彼女も悪女として描かれていたが、それよりも強烈だったのがチョン・インファの扮した文定(ムンジョン)王后。王が愛する側室を徹底的にイジメ抜く場面には辛辣な情念が込められていた。
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表向きは、チン・セヨンが演じたヒロインのジャヒョンが王子2人に愛されていく物語。しかし、チュ・サンウクが演じた世祖(セジョ)の妻になるナギョム(リュ・ヒョヨンが演じていた)が悪の権現として恐い存在感を放っていた。彼女はもともとジャヒョンの友人だったのに、王妃になっても旧友への露骨な悪事をやめなかった。
ハン・ヒョジュが演じたトンイは明るくて思いやりがある性格で誰からも愛される。しかし、善人だけではドラマは成り立たない。張禧嬪(チャン・ヒビン)がトンイのカタキ役として様々な悪行に手を染めていく。とはいえ、有名な悪女に扮したイ・ソヨンには、どことなく品があった。死罪になる場面では抒情性すら感じさせるほどだった。そういう意味で、見る人が見れば「好感が持てる悪女」だったかもしれない。
ドラマは貞明(チョンミョン)王女、光海君(クァンヘグン)、仁祖(インジョ)といったメインの登場人物を中心に描かれるが、からんでくるキャラクターに悪女が多かった。前半はキム・ゲシが光海君の後ろで悪事を一手に引き受けていたが、彼女が斬首されてしまうと、後半では仁祖の側室だった趙氏(チョシ)が陰謀を露骨にめぐらせていた。悪女がダブルに出てきて、物語には緊迫した緊張感が続いていた。
中宗(チュンジョン)の三番目の正室だった文定王后と手下の鄭蘭貞は最強の悪女コンビと言える。『女人天下』でもこの2人が大きく描かれたが、『オクニョ』ではさらに文定王后の弟の尹元衡(ユン・ウォニョン)も嫌らしく出てきて「悪のトライアングル」を形成していた。これほど悪人が跋扈する時代劇も珍しいほど。特に、文定王后に扮したキム・ミスクは筋金入りの悪役女優だ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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