『トンイ』でチ・ジニが粛宗を演じるうえで苦労したことは?

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朝鮮王朝19代王の粛宗(スクチョン)というのは、韓国時代劇にとてもよく出てくる国王なので、視聴者もそれまでの先入観で見ることが多かった。また、女性問題で数々のトラブルを起こした粛宗だが、政治家としては大変有能であり、国王としての業績も立派だった。

たとえば商業を活性化させたり、国防を強化したり、国内を統治するうえでは申し分のない国王なのである。

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そういう意味でも、粛宗というのは韓国時代劇で威厳を持って描かれることがほとんどだった。いわば、堅苦しいイメージも定着していたと言える。

チ・ジニが『トンイ』で粛宗の役のオファーを受けたとき、彼はとても困ったという。それは、それまでの粛宗のイメージをどう受け継いだらいいのかと悩んだのだ。

しかし、脚本ができてみると、粛宗の描き方は従来とは違っていた。人間的にとても柔らかみがあり、女官に冗談を言ったりするところが多かった。

一番象徴的なのは、ハン・ヒョジュが演じたトンイと2人で逃亡していく場面で、塀を超えていくトンイの踏み台となるために背中を踏まれていく場面だった。

『トンイ』ではチ・ジニが粛宗を演じていた

粛宗のイメージ設定

このときは、トンイがまさか粛宗とは知らないで奇抜な行動を促したのだが、それにしても国王が踏み台にされるというのは前代未聞のシーンである。

これも、新しいキャラクター設定を好んだイ・ビョンフン監督の斬新なスタイルのたまものだった。

チ・ジニは粛宗を演じるにあたり、国王は絶対君主なので絶対に威厳を保たなければならないと信じ切っていた。

そういう固定観念から、いかに軽すぎる国王を的確に演じていくか。そのようにイメージを変化させることがチ・ジニにとってはとても難しいことだった。

悩みながら粛宗を演じたチ・ジニだったが、最終的にはイ・ビョンフン監督からとてもいい評価をもらった。

こうしてチ・ジニは、『トンイ』で新しい粛宗のイメージ設定に成功したのだ。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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