傑作時代劇として今でも人気が高い『トンイ』。この時代劇は、ハン・ヒョジュがヒロインを演じたことがとても大きかった。
彼女がけなげに一生懸命トンイを演じきったことで、ドラマは本当に盛り上がった。
そのハン・ヒョジュは、2006年にユン・ソクホ監督の『春のワルツ』で世に知られるようになった女優だ。
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2009年に主演した『華麗なる遺産』は、最終回が47%という驚異的な視聴率を挙げ、ハン・ヒョジュは魅力的なスター女優として認められた。こうした実績を受けて、ハン・ヒョジュは『トンイ』の主人公に決まった。
ただ、荷が重かったのも事実だ。
イ・ビョンフン監督は、『宮廷女官 チャングムの誓い』と『イ・サン』を立て続けに大成功させており、韓国時代劇の巨匠として絶大な評価を得ていた。
しかも、俳優への演技指導が厳しいことが知れ渡っていた。それだけに、まだ演技経験が少なかったハン・ヒョジュにとっては大きな重圧を受けた。
その点はイ・ビョンフン監督も百も承知だった。彼は、ハン・ヒョジュの演技を安定したものにするために、撮影が始まる2カ月前から演技指導を行なう必要性を感じていた。
そうした指導を通して、ハン・ヒョジュが大きく成長することを期待したのだった。
そんなイ・ビョンフン監督は、ハン・ヒョジュに対してどんな演技指導を行なったのだろうか。
具体的に言うと、イ・ビョンフン監督の過去の作品である『宮廷女官 チャングムの誓い』や『イ・サン』などから選んだ場面を、実際にハン・ヒョジュに演じてもらおうというものだった。
そのためにハン・ヒョジュも必死になって、チャングムや『イ・サン』のソンヨン(ハン・ジミンが演じていた)のセリフを覚えて、イ・ビョンフン監督の前で実際に演じて見せたのである。
すでに人気女優となっていたハン・ヒョジュだけにプライドもあっただろうが、彼女は新人女優のようにイ・ビョンフン監督の作品からセリフを練習していった。
この演技指導は大成功であり、ハン・ヒョジュはイ・ビョンフン監督のスタイルを会得してから撮影に入ることができた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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