最近のパク・シフは現代劇で華やかな登場人物を演じることが多いが、もともとは時代劇にも縁がある俳優だった。
彼が初めて時代劇に挑戦したのは『イルジメ(一枝梅)』。このドラマでパク・シフはアクションシーンが多かったのだが、すばらしい動きを披露して評判になった。
さらに、パク・シフは傑作時代劇と呼ばれた『王女の男』で、良家の御曹司のキム・スンユに扮した。そのキム・スンユは父を殺されて復讐の鬼と化していくのだが、そのあたりの演技は凄みすら感じさせた。
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特にパク・シフが強調したシーンは、ムン・チェウォンが演じたイ・セリョンとキム・スンユが一緒にさらわれてしまう場面だった。
そのシーンがあまりに強烈な印象を残したので、『王女の男』は「朝鮮版のロミオとジュリエット」と呼ばれた。とはいえ、パク・シフはむしろ撮影を楽しんだようだ。彼は「ドラマでは囚われの身なのに、2人がデートしているみたいなシーンも盛り込まれていました」と振り返っている。
そんなパク・シフが『王女の男』以来9年ぶりに出演した時代劇が『風と雲と雨』だ。
このドラマでパク・シフが演じるのはチェ・チョンジュンという男だ。彼は両家の御曹司だったのに、父を殺されて、身分が変わってしまった。苦難の修業を終えてなったのが、なんと易術師だった。
こうしてチョンジュンは、王族たちと出会いながら、権力闘争の渦中に自ら入り込んで行って、歴史上の大事件に関わっていくのである。
そんな彼が思い続けていた女性が、コ・ソンヒが演じているボンリョンだ。彼女は未来を予見するという不思議な能力を備えており、王女の身分も持っていたのに、悪徳な一族たちに翻弄されてしまう。
このようにして、易術師のチョンジュンと予知能力があるボンリョンの2人が、運命的なラブロマンスを繰り広げていくのが『風と雲と雨』というドラマだ。
描いている時期は朝鮮王朝の終盤でまさに激動の時代だった。そんな歴史の中でパク・シフが見せる情念の男が本当に頼もしかった。
やっぱり、パク・シフは時代劇によく似合う俳優だ。
文=康熙奉(カン・ヒボン)
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