ドラマ『チャン・オクチョン』は、かなりの異色作であった。主役のキム・テヒが演じたのは、朝鮮王朝三大悪女の筆頭とも言われた張禧嬪(チャン・ヒビン)だ。彼女は本名が張玉貞(チャン・オクチョン)であり、その本名をドラマのタイトルにしているのだ。
【関連】「韓国で最も美しい女優」キム・テヒが「朝鮮王朝3大悪女」を演じるまで
主人公のチャン・オクチョンは19代王・肅宗(スクチョン)と激しい愛に陥るのだが、ドラマでは従来の張禧嬪とはまったく異なる描き方をしている。それは、序盤のストーリーを見ればよくわかる。
チャン・オクチョンは、韓服の仕立てを仕事にしていた。いわば、朝鮮王朝時代のデザイナーだったのだ。とても有能でお客も多かったのだが、母が賎民(チョンミン)であることが知られると、途端に仕事の依頼が来なくなってしまった。
一方、ユ・アインが演じたイ・スンは王朝の世子であったが、未来の妻となる女性に会おうとして、服の寸法を測りに来ていたオクチョンと偶然に出会ってしまう。これが、究極的な愛の伏線になった。
そのイ・スンは父の死去にともなって王位を継ぎ、19代王の粛宗となる。当時は派閥の争いが激しく、そんな騒動の最中にオクチョンは若き王の心を引き寄せる役目を負わされるようになる。その末に、オクチョンは女官として王宮で働くことになり、やがては彼女と粛宗が再会して2人が運命的な愛に導かれていく。
従来なら、朝鮮王朝で有名な悪女として名高い張禧嬪は数多くの作品で欲望が強い女性として描かれていたが、今作では、ファッションセンスを持つキャリアウーマンとしてキャラクター設定がされており、さらには、一途な愛に生きる情熱の女性として存在感を発揮していた。
それにしても、ドラマの中のキム・テヒは本当に美しい。過去にも多くの美人女優が張禧嬪を演じているが、キム・テヒはナンバーワンだと言えるかもしれない。そういう意味では、絶世の美女であったと歴史書に記された張禧嬪を演じるのに、キム・テヒはピッタリの女優であった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
【関連】『トンイ』のライバル張禧嬪はなぜ「朝鮮王朝三大悪女」なのか
前へ
次へ