今年の韓国時代劇を振り返ってみると、2020年10月から11月にかけてテレビ東京系列の韓流プレミアで放映された『王になった男』が抜群に面白かった。
この時代劇は2012年に韓国で公開された映画『王になった男』のリメイク版である。映画ではイ・ビョンホンが主演し、ハン・ヒョジュが王妃を演じていたが、韓国で1200万人以上の観客動員数を獲得してメガヒット大作になった。
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そして、ドラマになった今回の『王になった男』は、一人二役の王を演じたのが主演のヨ・ジングであり、ヒロインの王妃役はイ・セヨンが扮した。
そして、とても重要な都承旨(トスンジ)の役を名優のキム・サンギョンが演じた。
このように、魅力的な俳優が揃った『王になった男』は、どんなストーリーなのだろうか。
ヨ・ジングが扮した国王のイ・ホンは、王座を守るために弟を殺してしまった。それによって精神的に追い詰められて、苦境に陥っていた。側近の都承旨のイ・ギュ(キム・サンギョンが演じている)はとても憂慮していたのだが、町でイ・ホンにそっくりな男を見かけてビックリする。
それが道化師のハソンで、あまりに瓜二つだったので、イ・ギュはハソンを王宮につれてきて、王の影武者をさせようとする。ハソンは一度断るが、庶民が困っている現実を見て、王の身代わりになることを固く誓うようになった。
そんなときにイ・ホンが錯乱してしまい、イ・ギュは計画を実行してハソンを身代わりの王にさせた。
それによって、イ・セヨンが演じる王妃との関係も大きく変わっていった。以前の王は冷酷で王妃は心を閉ざしていたが、ハソンは国王になって王妃に優しく接し、彼女は好感を持つようになっていった。さらに、王になったハソンは悪徳高官たちを牽制して政治を正すようになっていくのだが……。
こうした物語がスリリングに展開していくのが『王になった男』であり、本当に面白い時代劇に仕上がっていた。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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