日本でも人気のドラマ『愛の不時着』に主演しているヒョンビン。彼は韓国時代劇でも活躍している。
特に、『王の涙-イ・サンの決断-』(日本では2014年12月に公開)ですばらしい演技を見せている。
この作品について彼はこう語っていた。
「私が作品を選ぶ基準は1つだけです。それはシナリオ次第ということです。シナリオの他には何も見ないですね」
それほど、ヒョンビンはこの映画のシナリオに惚れ込んだ。
『王の涙-イ・サンの決断-』は朝鮮王朝の22代王・正祖(チョンジョ)を描いている。ヒョンビンは、朝鮮王朝の正式な歴史書『朝鮮王朝実録』に出てくる正祖の記述をとても詳しく読み込んだ。そのうえで、「あえて、正祖を描いた他の作品を見ようとしませんでした」と述べた。
つまり、自分なりに新しい正祖を演じたいと意欲をみなぎらせたのだ。
「今回の作品は今までのものと違います。かならず生きなければならないし、自分の政権を守らなければならない。これまでにない緊迫した正祖をお見せしたいと思いました」
果たして、ヒョンビンはどんな正祖になりきろうとしたのか。
「脚本を何度も読むと、正祖は自分の命を守るために、苦しい環境の中で鍛練を続け、すさまじい生き方をしたのではないかと考えました。それで、からだを鍛えました。トレーニングと撮影を一緒に行なったので1日3時間しか眠れませんでしたし、からだを絞るために食事も制限しました」
ここまでヒョンビンはやりきった。
「とても過酷な撮影でしたが、最後までやり遂げることができました」
映画の中でのヒョンビンは、鬼気迫るほど強靱だった。『愛の不時着』とはまた違った魅力で彼は主人公を演じきった。
(文=康 熙奉/カン・ヒボン)
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