テレビ東京の韓流プレミアで放送されている『愛はビューティフル、人生はワンダフル』は、いよいよ終盤に入ってきた。物語の核心である10年前の「ひきにげ事件」の真相が徐々に明かされてきて、関係する登場人物たちの動きがあわただしくなった。
【関連】『愛はビューティフル、人生はワンダフル』主演ソル・イナの美しさ【photo】
ドラマの緊迫感が増してくるのだが、そんな合間にホっとさせてくれる場面を愉快に入れてくるのが韓国ドラマの特徴だ。つまり、「緊迫」と「弛緩」を交互に入れ替えて視聴者の緊張を和らげてくれる。
たとえば、2月3日に放送された第47話なら、主人公のチョンア(ソル・イナ)とジュンフィ(キム・ジェヨン)のラブロマンスに進展があった場面だ。
ジュンフィはチョンアの自宅の前で彼女の父親ヨンウン(パク・ヨンギュ)にバッタリ会ってしまう。すかさず、ジュンフィは緊張したのだが、彼がヨンウンに「お父様」と呼びかけると、まんざらでもなかったのか、ヨンウンがジュンフィを自宅に招き入れる。
それから、男同士で焼酎を飲み始めた。
この場面は典型的にほのぼのしたシーンだ。
ヨンウンはとても気分がよくなってジュンフィに焼酎をどんどん勧める。断り切れないジュンフィも韓国式の礼節を守って横を向きながら盃をどんどん空けていった。
このときのヨンウンの「えらそうな態度」はまさに「韓ドラあるある」だ。ヨンウンは『愛はビューティフル、人生はワンダフル』の中で道化師の役割を担って暗くなりがちな物語を明るい方向に転換させている。見ていて心情的に救いになっている視聴者も多いことだろう。
ヨンウンに扮しているパク・ヨンギュは韓国ドラマでよく見かける貴重なバイプレーヤーだ。かつては男の渋さを見せるイケメン中年の役が多かったが、年齢とともに太ってしまったこともあり、渋さよりも可笑しさを出す役が増えてきた。彼は、この『愛はビューティフル、人生はワンダフル』でもがんこ親父のヨンウンを巧みに演じている。
これからもヨンウンがドラマを引っ掻き回すシーンが出てくるだろう。彼は場面転換の重要な役回りを持っているのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
■【関連】『愛はビューティフル』ト・ジヌ役のオ・ミンソク!現代劇で示したキャリア
前へ
次へ