イ・ヨンエが主演を務めた『宮廷女官チャングムの誓い』は、朝鮮王朝の11代王・中宗(チュンジョン)の統治時代だった16世紀前半を描いていた。その当時、王宮には1000人ちかい女官が奉職していた。
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この1000人という数字が朝鮮王朝の518年間で女官が一番多かった、と言われている。つまに、王宮の中で女官があふれて華やかな時代に『宮廷女官チャングムの誓い』は物語が作られていったのである。
そして、女官たちは、自分が担当する部署によって分けられていた。それでは、どんな部署があったのだろうか。主なものを取り上げてみよう。
●至密(チミル) 国王と王妃が住んでいる寝殿に勤務して世話係を担当する
●針房(チンバン) 国王や王妃の衣服や布団を作る
●繍房(スバン) 宮中で使われる装飾物に入れる刺繍を管理していた
●焼酎房(ソジュバン) 王族の食事や祝宴を担当していた。内焼酎房と外焼酎房に分かれており、内焼酎房は水刺間(スラッカン)と呼ばれていた
●生果房(セングァバン)宮中の飲料水を管理して、お茶菓子も作っていた
●洗踏房(セダッパン) 洗濯と衣服の手入れを担当していた
●洗水間(セスガン) 国王や王妃が使用する洗面水や浴槽水を管理していた
以上の部署の中で一番重視されていたのが至密であった。この部署は直接王族の生活全般を見守るので、同じ女官でもブライトがとても高かった。それは、水刺間も同様である。ここは生活の基本となる食事を作るところであり、女官の中でも特に有能な女性たちが職務に励んでいた。
また、王宮では女官の下に付いて雑役につく女性も多かった。主に、身分の低い家からの出身者である。代表的なのは水賜伊(ムスリ)だ。水くみという重労働や、火付けという危険な雑役をたくさん担当していた。
なお、雑役につく女性たちはほとんどが既婚者だった。朝から出勤し、夕方まで仕事に励んでいく。一方、女官は王宮の中に住んで、特別な許可がないと王宮の外に出られなかった。結局は、女官でいるかぎり、生活の場は王宮だけだった。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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