古代の三国時代を舞台にした時代劇の中で今でもとても人気があるのが『花郎〈ファラン〉』である。その設定は新羅(シルラ)の真興王(チヌンワン)の統治した時代となっていて、真興王についてはパク・ヒョンシクが印象的に演じていた。
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真興王は新羅の24代王であり、統治したのは540~576年である。彼は善政を行なって、新羅を強国に導いていった。
一方、『帝王の娘 スベクヒャン』は三国時代に新羅と領土争いをした百済(ペクチェ)が舞台になっており、ドラマに登場する国王は
イ・ジェリョンが演じた武寧王(ムリョンワン)であった。
彼は百済の25代王であり、統治したのは501~523年である。彼もまた優れた政治能力で百済の全盛時代を作っている。
こうして真興王と武寧王を比較すると、統治した時代は40年ほど違っている。つまり、武寧王は世代でいえば、真興王の父親や祖父にあたる年齢であった。
こんなふうに比べてみると、『花郎〈ファラン〉』と『帝王の娘 スベクヒャン』のそれぞれの時代設定がよくわかってくる。
ここで見逃してはならないのが、『帝王の娘 スベクヒャン』でチョ・ヒョンジェが演じている太子ミョンノンである。彼は後に即位して26代王・聖王(ソンワン)になるが、統治したのは523~554年であった。つまり、聖王と真興王は、国王の在位時期が540年から554年までの14年間がかぶっているのだ。
実際、両者はライバル同士として切磋琢磨した。結果からいえば、真興王がより成功して、新羅が後に三国時代を制して朝鮮半島最初の統一国家を作る基礎を築いている。
古代の朝鮮半島の歴史はわかりづらい部分もあるのだが、時代劇で描かれた設定を比較することで、全体の勢力図が少しずつわかってくる。当時は、本当に隣国との関係がとても深かったのである。
そういう意味でも、『花郎〈ファラン〉』と『帝王の娘 スベクヒャン』を比べてみるのは、歴史を知る上でとても役立つことなのだ。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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