『100日の郎君様』の真実…悪徳高官キム・チャオンは実在したのか

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『100日の郎君様』を見ていると、王宮で国王を補佐している高官たちが出てくる。彼らは科挙に合格して出世したエリートであり、ときには国王に意見をして存在感を示した。

組織を見ると、行政の最高機関を議政府(ウィジョンブ)という。そこが実際の政治を動かしていた。

その議政府のトップが領議政(ヨンイジョン)だ。数多い官僚の最高峰であり、今でいえば総理大臣に該当する。この役職は時代劇にもよく出てくるので記憶している方も多いことだろう。

領議政の下には左議政(チャイジョン)と右議政(ウイジョン)の2人がいた。これが、今で言えば副総理に当たる。『100日の郎君様』で悪の限りを尽くしているキム・チャオンは左議政の地位にある。

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国王を脅かすような強大な権力を持ち、ド・ギョンスが演じたイ・ユルという世子まで亡き者にしようと暗躍するか、史実でも朝鮮王朝にはキム・チャオンのような実力者が多かったと思われる。

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例えば19世紀に存在した金祖淳(キム・ジョスン)。

彼は23代王の純祖(スンジョ)の正妻であった純元(スヌォン)王后の父親だ。『100日の郎君様』でもキム・チャオンはイ・ユルの妻の父親であったが、金祖淳はさらに強力で王妃の父親になっていたのである。

金祖淳は王の岳父だったことを利用して、強大な権力を持ち、一族で政権の中枢を独占。彼は安東(アンドン)・金氏の一族だったので、歴史的には「安東・金氏の勢道政治」と呼ばれている。

勢道政治というのは、王の外戚(主に王妃の親族)が我がもの顔に政治を動かすこと。安東・金氏の一族が政治を牛耳ったことで、収賄が横行して民衆の反感が強まり、各地で反乱も起きたという。

いずれも鎮圧されたが、農民の生活は苦しくなる一方だった。時の王であった純祖は勢道政治の弊害を自覚していたが、時すでに遅し。もはや安東・金氏の一族の政治力が強すぎて、純祖は王権を力強く発揮することができなかった。

『100日の郎君様』に登場するキム・チャオンは実在しない架空の人物だが、その権力はまさに「安東・金氏の勢道政治」を彷彿させるのである。

文=韓ドラ時代劇.com

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