鍋シーズン到来!チゲ、タン、チョンゴルと様々な韓国の鍋料理、その「微妙な違い」をご紹介!

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秋冬に食べたくなるものといえば、温かい鍋!そしてスープではないだろうか。韓国の鍋と一口に言っても実はさまざまな種類がある。

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今回は、これからの季節きっとたくさん思い浮かべる機会が多くなるであろう「チゲ」「グッ」「タン」「チョンゴル」のおすすめメニューを紹介してみたいと思う。

▼基本知識「チゲ(찌개)」「クク(국)」「タン(탕)」「チョンゴル(전골)」の違い

韓国でよく登場するスープ料理であるタン、クク、チョンゴル、そしてチゲの違いを整理しておきたい。とはいえ、これら4種類の違いは地元の人でも説明が難しいほどあいまいで、明確な線引きがあるわけではない。それだけに、韓国の食文化の奥深さを感じさせる分類でもある。

※イメージです(画像=tvN)

まず、「チゲ」について。韓国の鍋料理の中でも汁気が少なく、具材が多いのが特徴。国立国語院の『標準国語大辞典』ではチゲを「鍋に少なめの汁を入れ、肉・野菜・豆腐などを加えて、しょうゆ・みそ・コチュジャンなどで味付けして煮込んだおかず」と定義している。スープ料理と鍋料理の中間に位置する存在だといえるだろう。

そして「クク」。こちらは汁をたっぷりと使ったスープ料理を指す。一般的に1人前ずつ作られることが多い。『標準国語大辞典』では、「肉・魚・野菜などに水を多く入れて味付けし、煮込んだ料理」と定義している。本来は具よりも汁が主役の料理を意味する。日本でいう「つゆ」や「お吸い物」に近い存在。

次に「タン」。漢字で書くと「湯」となり、肉や骨を長時間煮出したスープをベースに、肉や野菜などの具材を加えて軽く煮込む料理を指す。「タン」という言葉は、鍋料理とスープ料理の両方に使われるのが特徴。一般的にククよりも長く煮込み、濃いスープを煮出すものとされている。具材よりもスープそのものを主役とする料理が多く、特に肉を中心にした「タン」は、家庭での特別な日やごちそうの場で振る舞われることが多い。

最後に「チョンゴル」。汁気が少なく、具材の多い鍋料理を指す。チゲよりも具をぜいたくにそろえ、卓上で煮込みながら食べるスタイルが一般的。見た目にも華やかで、韓国ではもてなし料理や特別な日の食卓に並ぶことが多い。大きく浅めの鍋に彩りよく材料を並べ、スープを注いで卓上で煮ながら味わうのが特徴。煮込む過程を楽しみながら食べる鍋料理といえる。

①キムチチゲ

酸っぱくなったキムチに豚肉や豆腐などを加えて煮込む韓国の定番鍋料理。家庭でも食堂でも親しまれ、ツナ入りやサンマ入りなど多彩なアレンジも人気。ピリ辛のスープが食欲をそそる一品である。

②プデチゲ

朝鮮戦争後に米軍のハムやソーセージを使って作られた「部隊鍋」が始まりといわれている。キムチやチーズ、餅、ラーメンなどを煮込むボリューム満点の鍋。ウィジョンブ(議政府)が発祥といわれている。今も若者に人気のメニューだ。

③テンジャンチゲ

韓国味噌テンジャンを使った濃厚な味噌鍋。牛肉やアサリの出汁に豆腐や野菜を煮込み、家庭でも焼肉店でも親しまれる定番料理。ぐつぐつ煮立つ香ばしさが食欲をそそる。焼肉屋の定番のサービスメニューでもあり、煮立てるほどに風味が増して美味しい。

④コプチャンジョンゴル

牛の小腸などのホルモンを、野菜とともに煮込む韓国のピリ辛ホルモン鍋。コチュジャンを使った濃厚で香ばしい味わいが特徴で、脂のコクと旨みがクセになる。締めにうどんやご飯を入れて楽しむのも定番だ。

⑤プルラクチョンゴル

薄切り牛肉とテナガダコを辛めのタレで煮込んだ韓国の鍋料理。牛の旨みとタコの弾力が絶妙に絡み合い、スタミナも満点だ。他の韓国鍋料理と比べると聞き馴染みがないメニューではあるが、韓国では、家庭でも専門店でも楽しまれている。締めにご飯やうどんを入れて食べるのも人気とのこと。

⑥テグタン

真鱈の身やアラ、白子、魚卵をたっぷり使った韓国の鍋料理。セリや大根、ねぎなど野菜と唐辛子やニンニクで煮込み、旨みと辛味が染み出す寒い冬にぴったりの定番スープである。

⑦チュオタン

どじょうを骨ごとすり潰し、味噌や野菜と煮込んだ韓国のスープ料理。ザラザラした食感ながら臭みが抑えられ、栄養豊富でヘルシー。夏バテ防止や郷土料理としても人気で、地域ごとに作り方が異なる郷土料理でもある。主に、南原(ナムォン)式、慶尚道(キョンサンド)式、ソウル式、原州(ウォンジュ)式の4つが有名。

⑧タットリタン

鶏肉、じゃがいも、にんじんなどを唐辛子入りのタレで煮込む韓国の家庭料理。甘辛くピリ辛な味付けで、食事のおかずやお酒のおつまみにも最適。鶏の旨みが野菜に染み込んでいるのがなんとも言えないくらい美味しい。

⑨カムジャタン

冬になると毎年、筆者が新大久保へ食べに行く鍋料理。豚の骨付き肉とじゃがいもを煮込んだ韓国の鍋料理。豚骨を長時間煮出したスープにニンニクや粉唐辛子、ゴマを加え、ピリ辛でコクのある味に仕上げる。ネギやエゴマの葉と一緒に煮込むのが特徴。また、飲酒文化が盛んな韓国では、二日酔いの朝に酔い覚ましや活力回復のために食べる「ヘジャンクッ(해장국)」という独特のスープがある。カムジャタンもこのヘジャンクッの一種として親しまれている。

(文=豊田 祥子)

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