【韓国ドラマのハングル活用術】読まなきゃ大損!時代劇で不可欠な王族の呼称を覚える

このエントリーをはてなブックマークに追加

傑作時代劇として大評判となった『赤い袖先』や『トンイ』。こうした韓国時代劇の日本語字幕版を見ていると、朝鮮王朝の国王のことをセリフや字幕で「王様」と表記する場合が圧倒的に多い。これは視聴者にわかりやすくするためにそう呼んでいるだけであり、正確に言うと表記としては正しくはない。

【関連】【韓国ドラマのハングル活用術】国王と重臣が使う古い言葉を覚える

韓国では、国王のことを「주상(チュサン/主上)」と呼んでいる。朝鮮王朝の正式な歴史書『朝鮮王朝実録』でも臣下が国王のことを呼ぶときには「주상」を使っている。「王様」というのはあまりにも軽い言い方であり、実際にはそういう呼び方はしないのだ。

また、国王の世話をする人たちの間では、国王のことを「전하(チョナ/殿下)」と呼んでいる。敬称には違いないのだが、通常なら「皇太子殿下」と呼ばれるように、国王の後継ぎであるナンバー2につけられる敬称である。

厳密に言うと、絶対権力者の場合は「폐하 (ペハ/陛下)」というのが最大の敬称である。実際に古代の三国時代の時代劇では国王は「폐하 」と呼ばれている。

なぜ朝鮮王朝では「폐하」と言わないか。それは中国にとても気兼ねしているからである。中国の皇帝こそが「폐하」であり、朝鮮王朝の国王はそれに次ぐ存在として「전하」を使っているのだ。

なお、国王は自分自身のことは正式に「과인(クァイン/寡人)」と言っている。字幕ではよく国王が自分を呼ぶときに「余」を使うが、韓国では「과인」で通している。

『赤い袖先』のイ・サンと『トンイ』の粛宗
左は『赤い袖先』でジュノが演じたイ・サン(NBCユニバーサル・エンターテイメント/©2021MBC)、右は『トンイ』でチ・ジニが扮した粛宗

王族の呼称のハングル

また、朝鮮王朝では国王の正式な継承者は「세자(セジャ/世子)」と称される。この場合の敬称は「저하(チョハ/邸下)」である。
次に、王妃はどのように呼ばれているだろうか。韓国では王妃のことを「중전(チュンジョン/中殿)」や「중궁(チュングン/中宮)」と呼んでいる。

これは王妃が王宮の中央位置に住んでいたということも関係している。さらに、王族女性に対しては周囲の人間が敬称として「마마(ママ/媽媽)」をつけるので、「중전마마」という呼び方になる。

国王の母については「대비(テビ/大妃)」と呼ばれており、周囲の人たちは「대비마마」と言っている。

次に王子や王女の呼び方を見てみよう。

国王の正室が産んだ王子は「대군(テグン/大君)」であり、国王の側室が産んだ王子は「(クン/君)」となる。また、国王の正室が産んだ王女は「공주(コンジュ/公主)」であり、国王の側室が産んだ王女は「옹주(オンジュ/翁主)」となる。

このように同じ王子や王女であっても、生母が正室と側室の違いによって呼び方を明確に分けていた。これはとても大事なことだったのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

【関連】【韓国ドラマのハングル活用術】『涙の女王』のようにヒロインが使う強気な言葉を覚える

【関連】2PMジュノ、ブラックスーツ姿から放たれるカリスマオーラ【PHOTO】

【関連】『チャングム』のチ・ジニが役者として憧れている存在とは誰なのか

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事