名君の偉大な業績をたどる傑作『イ・サン』【名作劇場】

このエントリーをはてなブックマークに追加

朝鮮第22代国王・正祖(チョンジョ=イ・サン)の生涯を描いた『イ・サン』は、時代劇の巨匠イ・ビョンフン監督が自身の本拠地ともいえる朝鮮王朝時代に立ち返り、これまでの経験の粋を集めて作り上げた監督の名作だ。

主人公を演じるイ・ソジンは、『チェオクの剣』で一躍スターダムにのし上がった韓国芸能界きっての知性派。朝鮮のルネサンス時代を築き上げた稀代の名君・正祖は、まさに彼をおいていないハマり役である。

放送が始まった当初、他局では韓国時代劇の創始者と呼ばれるキム・ジェヒョン監督の『王と私』が放映中で、2大巨匠の対決として大いに話題を集めたが、後発は不利といわれる中、見事、『王と私』をとらえて視聴率トップに立つ快挙を成し遂げた。

朝鮮史上かつてない10数回にも及ぶ国王と王子暗殺未遂事件など、壮大なスケールで展開する激動の宮廷史に、ソンヨン(ハン・ジミン)との切ないラブストーリーを見事に融合させ、エンタテインメント時代劇の極致に到達した。

ドラマ『イ・サン』(2007-8 MBC)

【あらすじ】「聖君になれ」という父の言葉を胸に王へと成長

第21代王・英祖は、臣下にそそのかされ、自分の息子でありイ・サン(イ・ソジン)の父である思悼世子が謀反を企てたと誤解し、米びつに閉じ込めてしまう。

幼いイ・サンは女官見習いのソン・ソンヨン(ハン・ジミン)の助けを受けながら父親を助けようとするが、7日後、イ・サンの願いも空しく思悼世子は米びつの中で息絶え、ソン・ソンヨンはイ・サンを助けた罪で宮廷を追われてしまう。

幼いイ・サンは父が死ぬ間際に残した「聖君になれ」という言葉を胸に刻み、王位継承者として成長するが、朝廷は激しい派閥争いの真っ只中。イ・サンの王位継承を望まない老論派はさまざまな陰謀を企ててイ・サンの王位継承を阻もうとした。

ある日、寝室に忍び込んだ刺客を始末したイ・サンは、彼の口に図画署でのみ使われる顔料が残されていることを発見する。図画署で働く茶母の活躍で事件が解決し、その茶母が描いたという1枚の絵を目にしたイ・サンは息を飲む。そこには幼い頃、父を助けるべく宮殿を抜け出した自分とソンヨンの姿が描かれていた…。

前へ

1 / 1

次へ

関連記事


RANKINGアクセスランキング

写真


注目記事