16~17世紀の朝鮮王朝時代に実在した朝鮮随一の名医、許浚(ホ・ジュン)の生涯を描いたドラマ。韓国でホ・ジュンが後世に名を残しているのは、彼の記した『東医宝鑑(トンウィポガン)』によるところが大きい。
東洋医学に大きな影響を与え、韓国医学の始祖としての功績を残した同書は、今でも韓国で医学を学ぶ学生たちの最高の教科書とされている。
同ドラマのすごいところは、韓国の時代劇では史上初の最高視聴率63.7%を記録し、『小説・東医宝鑑』は300万部を超えるベストセラーとなった。
そんな国民の高い関心と人気は、放送時間になるとみんなが家に帰ってしまい、街から人が消えるという“ホジュンシンドローム”を生み出したことや“韓医学”に一層の注目が集まるなど、数々の社会現象が巻き起こしたことを見てもわかるだろう。
香港や台湾など、アジアでも絶大な人気を誇る同ドラマの成功なしに、日本の韓流時代劇ブームはなかったと言える作品だ。
朝鮮王朝時代の中期。群主である父と身分の低い女性との間に生まれ、幼少より周囲から蔑まれ愛情を注がれることなく育ったホ・ジュン(チョン・グァンリョル)は、中国の商人と密貿易で銭を稼いだり、酒と女におぼれる荒れた生活を送っていた。
そんなある日、ホ・ジュンは病に倒れた父のために、男装姿で薬の密貿易に関わる両班の娘のダヒ(ホン・チュンミン)と出会う。彼女と出会ったホ・ジュンは、ここで人生の転機を迎える。
父親が反逆者だとして追われるダヒを助けたホ・ジュンは、その罪を問われて故郷から追放。
実の父から助言を受け、母と共に慶尚道(キョンサンド)の辺境の地にたどりついたが、そこで貧しい人々に医術を施すユ・ウィテ(イ・スンジェ)と出会う。その姿に感銘を受けたホ・ジュンは、自分の人生を医術に賭けることを決意する。
ウィテに弟子入りすると、ホ・ジュンはたゆまぬ努力で医師としての才能を開花させていくのだが、そこには波乱に満ちた長く険しい道のりが待ち受けていたのだった…。
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