U-NEXTで配信中の『瑞草洞<ソチョドン>』では、女優ムン・ガヨンの魅力が繊細かつ鮮烈に花開いている。周囲の空気に染まることなく“我が道を行く”ヒロイン像を演じたら、ムン・ガヨンの存在感はさらに鮮やかになる。
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以前の主演を振り返ると、ラブコメ『女神降臨』が特に印象深い。ムン・ガヨンは、容姿に対するコンプレックスを抱えながらも、メイクという魔法のような手段で自らを変身させる高校生イム・ジュギョンを演じた。まさに、光と影を同時に宿す役柄だった。
このドラマでは、特に恋の三角関係がクローズアップされていた。チャウヌ演じるイ・スホは冷静で知性がにじむ優等生。一方、ファン・イニョプが扮したハン・ソジュンは、激しい情熱を内に秘めたワイルドな青年若者だ。
このように対照的な2人がジュギョンと関わるたびに物語は面白くなった。その際にムン・ガヨンが見せたコミカルな雰囲気は格別だった。
さらに、ムン・ガヨンは『あいつは黒炎竜』でも新たな魅力を見せている。この作品で共演のチェ・ヒョヌクが演じたのは、財閥家の一員ながらオタク的な側面を隠して生きる大手デパート本部長パン・ジュヨンだ。
一方のムン・ガヨンは、彼と対照的な立場にある企画チーム長ペク・スジョンとして登場した。現実の壁と心の距離を乗り越える2人の関係性は、柔らかくも張りつめた空気を生み出していた。
そして今回の『瑞草洞<ソチョドン>』。ムン・ガヨンはソウル・瑞草洞という法律事務所が集う街で、アソシエイト弁護士カン・ジヒに扮している。クールビューティーとも言える彼女の佇まいは、静かな炎のように周囲を照らしている。
そのカン・ジヒと対峙するのがアン・ジュヒョン(演者イ・ジョンソク)だ。2人がランチ会で顔を合わせるたび、空気にピリリとした緊張が走る。なによりも、アン・ジュヒョンはカン・ジヒに対してそっけない。
しかし、カン・ジヒは、閉ざしているアン・ジュヒョンの心の扉を情熱と知性でこじ開けようとする。その駆け引きが本作の大きなポイントになっている。
文=康 熙奉(カン・ヒボン)
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