『ホジュン~伝説の心医~』で毒薬を飲んで死罪になる場面が史実とどう違うのか

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テレビ東京で放送されている『ホジュン~伝説の心医~』では、6月19日の第37話で、逆賊の罪を負わされたイ・ジョンミョン(演者ソン・ジェヒ)が死罪となってしまった。その場面にはホ・ジュン(演者キム・ジュヒョク)もいて、彼は辛い気持ちで見守っていた。

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逆賊の罪なら斬首やからだを切り裂かれる処刑が一般的なのだが、ジョンミョンの場合は毒を飲んで死ぬことになった。この場合は毒薬を国王から賜ることになる。そのことを賜薬(サヤク)という。処刑ではなく賜薬にしたのが、ドラマ的な演出だと言えるかもしれない。

そして、毒薬を運ぶ役をイェジン(演者パク・ジニ)が担った。彼女は死罪になるのが恩人のジョンミョンであることを初めて知って激しく動揺する。

また、ジョンミョンのほうも、愛しているイェジンから毒薬を運ばれて大きなショックを受ける。とはいえ、もうどうしようもできない。ジョンミョンは心の中で、イェジンを最後まで守れないことを詫びながら、ついに覚悟して毒薬を飲んでいった。

ところで、韓国ドラマには、死罪になった罪人が毒薬を飲んですぐその場で息絶えるという場面がよくある。今回の『ホジュン~伝説の心医~』もそうだった。しかし、朝鮮王朝時代には、そんなに速攻で人は死ぬことができなかった。

『ホジュン~伝説の心医~』
画像=MBC

儒教的な価値観

仮に罪人が毒薬を飲んだとしても、通常は5時間ほど苦しみ抜いてから息絶えるという例が多く、中には一晩中苦しんでから絶命するという場合もあった。それだけ、毒を飲んでも絶命するまでに時間がかかったのである。そういう意味でも、毒薬を飲んで死ぬというのは残酷な死罪なのだ。

もともと、儒教には親からもらった身体を傷つけることを極端に嫌う思想があった。そこで、身体を傷つけないで死ぬことは「名誉のある死に方」とされており、特に地位の高い人は賜薬によって命を終えた。ジョンミョンの場合も、毒を飲んで死ぬことが儒教的な価値観に合っていた、ということなのである。

文=康 熙奉(カン・ヒボン)

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