韓国・KBSが「屛山書院」の損壊問題で批判を受けた件について、テレビ受信料の不足や52時間労働制などの厳しい制作環境が原因の1つだと説明した。
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KBSが公式サイトで公開した「KBS視聴者委員会」1月会議録によると、KBS2の新ドラマ『男性主人公の初夜を奪ってしまった』(原題)の撮影チームが「屛山書院」で釘打ちを行い、文化遺産を損壊した件に関する質疑応答が行われた。
これに対し、KBSドラマセンター長のキム・ヨンジョは次のように釈明していた。
「文化財損壊について、心から申し訳なく思っており、二度とこのようなことが起こらないよう努める。1月2日に迅速な対応がなかったという指摘について、当初、制作チームはできるだけ早く状況を把握しようとしたが、小道具担当のチームが怖がったのか、事実と異なる説明をした。それを確認し、訂正する過程が必要だったため、対応が遅れてしまった」
さらに、「“屛山書院”のような特別な文化財においては、より慎重な対応が求められる。しかし、ドラマ制作の現場は非常に忙しく、制作費も限られており、52時間労働制の影響でスケジュールを急ピッチで進めざるを得ないのが実情だ。ドラマ制作は常に多くのリスクを抱えている」と述べたのだった。
また、キム・センター長はこう語っていた。
「受信料収入が少なく、助監督がいない番組も多い。このドラマにも助監督がいなかったうえ、現場にKBSの職員は1人しかいなかった。そのため、問題が発生しても対応できる人員が不十分であり、加えて、スタッフの多くがフリーランスのため、文化財に対する意識が不足している状況だった。今後は外部スタッフへの教育を徹底し、再発防止に努める。しかし、KBSも現在、非常に厳しい状況にあることを理解していただければありがたい」
今回の「屛山書院」の釘打ち問題は、建築家のミン・ソホンが、自身のFacebookで「“屛山書院”で目撃したことを記録する」と投稿し、KBSのドラマ撮影準備過程で文化遺産が損壊された事実を明らかにしたことで発覚した。
KBSはこれについて「昨年末、安東の「屛山書院」で事前に撮影許可を取得し、小道具の設置を行った。しかし、その過程で現場の見学者から『文化財に釘打ちして小道具を設置するのか』という抗議を受けた。いかなる理由があれ、現場で発生した事態の重大さを認識し、深くお詫び申し上げる」と謝罪したのだった。
その後、安東市はKBSを文化遺産損壊の罪で告発し、「屛山書院」を背景にしたすべての映像の廃棄を求めた。
KBSは『男主人公の初夜を奪ってしまった』の撮影チームが撮影した「屛山書院」の映像をすべて廃棄することを決定した。さらに、慶尚北道安東警察署は、同ドラマの制作スタッフのうち小道具チームの3名を「文化財保護および活用に関する法律」違反の疑いで検察に送致した。
(記事提供=OSEN)
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